※2024年12月に更新しました。また本ページにはプロモーションが含まれています。
ハイエンドCPUの
CPUクーラーは水冷と空冷どっちが良い??
パソコンを使う上で、案外忘れられることも多いのが温度管理です。
動画編集を行うと、パソコンの心臓部であるCPUに負荷がかかるので、CPU周辺からパソコン内部の温度が上がりやすくなります。
パソコン内部の温度が高くなりすぎるとCPUの動作が不安定になったり、動作が遅くなったりすることもあります。
快適な作業を続けるためには、適切に内部を冷却してパソコンの性能を保てるようにしなければいけません。
最近はCPUの性能が上がるのに伴ってコア数も増えたこともあり、以前よりもさらにしっかりした冷却機能が必要になってきているのです。
パソコンにはCPUを冷却するためのCPUクーラーが備わっており、空冷ファンと水冷ファンの二種類があります。
そこで問題になるのが、動画編集用のパソコンでは空冷と水冷のどちらを選ぶかということでしょう。
この二種類の冷却装置は、冷却能力はもちろん、価格や稼働時の音などにも違いがあります。
空冷と水冷、双方のメリットやデメリットをみていきながら、動画編集用のパソコンにはどちらが良いのか解説します。
目次
この動画の11分40秒以降で水冷ユニット搭載パソコンについて詳しく解説しましたので合わせて視聴してみてください。
空冷方式・水冷方式の違い
空冷方式ではファンを回すことでCPUに直接空気を当てて冷やしています。
一方の水冷方式では冷却水をラジエータを使って循環させ、CPUの温度が上がるのを防いでいます。
どちらもCPUを冷やすという機能は同じですが、その仕組みは全く違うんですね。
空冷と水冷には、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。
空冷方式のメリットとデメリット
空冷はファンを回してパソコンの内部の空気を循環させ、CPUに風を当てることで温度が上がりすぎるのを防ぐという仕組みです。
とても簡単な構造なのでコストも安く、比較的リーズナブルな価格で用意できます。
空冷方式を採用しているパソコンが多く、単純にシェアだけで見れば空冷方式の方が圧倒的多数になります。
空冷方式のデメリットとしては、空気を循環させて冷却させるシステムのため、夏場など気温自体が高くなると冷却性能が落ちてしまうということがあります。
内部の温度全体が上がっているとファンを回しても結局温風を当てていることになるので、冷却効率が下がってしまうのです。
また作動しているときはずっとファンが回り続けるのでホコリが溜まりやすいのと、動画編集のエンコーディング(書き出し)中は騒音が気になる場合もあります。
空冷のメリット・デメリット
☑低価格
☑夏場は冷却性能低め
☑ホコリがたまりやすい
水冷方式のメリットとデメリット
水冷方式のメリットは、まず空冷よりも冷却性能が高いことが挙げられます。
冷却水をラジエータの中で循環させるという方法のほうが、ファンで風を当てるよりも温度を下げやすいのだとか。
また水冷方式は周りの空気の温度からの影響が少ないため、パソコン内部の温度が高い夏でも冷却効率が変わらないのでCPUのパフォーマンスを落としません。
また、ファンを回すわけではないので音があまりうるさくないというメリットもあります。
性能が高い大きな水冷ユニットであっても、静かに使えるのでストレスがありません。
一方のデメリットとしては、水冷方式になると必要な部品の数が多いことから価格が高くなってしまうことがあります。
複雑な構造になっている分メンテナンスが必要になったり、使用する上で手間がかかってしまうこともデメリットです。
また水を循環させるホースが劣化してしまうと水が漏れてしまい、他のパーツが破損してしまうなどのリスクもあります。
また冷却性能を高くするにはラジエータ部分が大きくなるため、性能が良いものはどうしてもサイズが大きくなります。
その大きな水冷ユニットを装着できるように考慮した上で、他のパーツやPCケースも用意しなければいけない。というのもネックになるかもしれません。
水冷クーラーの持つ性能をちゃんと引き出すには、それなりにパソコンの知識が必要になるのが初心者にとっては難しいところです。
また、CPU以外はあまり効率的に冷やせないというのも水冷クーラーの難点です。
例えば、M.2 SSDがCPUのそばに設置されているのは、空冷CPUファンで冷却されるのを期待しているのだと思いますが、水冷ユニットの場合M.2 SSDを冷却する効果は全くありません。
高い負荷のかかる作業をしているときのパソコン内部はCPU以外の部分も温度が高くなるため、本来はそういったパーツも冷やすのが理想的です。
他の部分を冷却するのが得意な空冷ファンに対して、水冷方式はCPUのみ集中的に冷却するのが得意と言えます。
水冷クーラーのメリット・デメリット
☑空冷ファンよりも冷却性能が高い
☑夏場も冷却効率が落ちない
☑メンテナンスが必要
☑CPU以外は冷やせない
空冷と水冷、冷却性能が本当に高いのはどちらか
水冷ユニット並みの冷却効果がある大型の空冷ファン
水冷は基本的に空冷よりも冷却性能が高いため、動画編集用パソコンなど高性能のCPUを搭載し、高い負荷がかかる作業をすることが前提のパソコンでは水冷の方が良いとされる意見も多いです。
ですがここ数年はCPUの性能が上がるだけではなく、省エネや効率化が重視されているため発熱も比較的抑えられており、空冷ファンでも十分であるケースも増えています。
その一方でCPUのコア数は新しいものほど増えてきているので、常に最大のパフォーマンスを引き出すには冷却効率も意識しなければいけません。
同じCPUを同じ条件で使った場合、空冷と水冷のどちらがより冷却性能が高いのかを比べてみると、高い負荷がかかっているときにはやはり空冷では冷却が追いつかず、温度がかなり上がってしまいます。
水冷であれば高い負荷がかかってるときもちゃんと冷やしてくれるモデルがほとんどですが、実は空冷であってもハイエンドモデルであれば水冷と同じかそれ以上の冷却効率でCPUを冷やしてくれます。
ある程度の性能を持っているものであれば、空冷でも水冷と同じ程度の冷却効率を確保できるのです。
水冷ユニットは無音なのか?
さらに騒音の問題についても、性能の高い空冷のハイエンドモデルや静音性を重視したモデルであればとても高い静音性を備えています。
水冷ユニットはファンの音は抑えられている傾向がありますが、水流の音が生じるので想像以上に音が外に漏れやすいのです。
空冷ファンはPCケース中央部に設置されているため音が漏れにくく、そもそも音の発生源もパソコンを使用している人から遠いので、性能の良いモデルであれば動作音があまり気にならないわけです。
BTOパソコンメーカーにどっちが良いのか聞いてみた
つまり!どちらが良いか結論がでません(苦笑)
そこでBTOパソコンメーカー大手 マウスコンピューターの技術者の方に
Q.水冷ユニットにした方が良いパソコンとはどんなものでしょうか?
と聞いてみました。
そこで頂いた回答が以下になります。
長時間負荷をかける作業をするPCに水冷ユニットをおすすめします。
CPUには、負荷の高い計算をする際に性能を上げるいわゆるBoost機能がありますが、発動条件の一つにCPUコアの温度が設定上限値を超えないというのがありますのでBoostが発動しやすくなり、パフォーマンスの向上が見込めます。
マウスコンピューターでは高い冷却性能を要求する高性能CPUを搭載したモデルに水冷ユニットを標準搭載しています。
4K解像度以上の動画編集や、高画質の複雑なCG制作やVR制作が該当すると思うので、水冷ユニットを検討したほうが良いでしょうね。
ノートパソコンも水冷クーラーがあるの知ってる?
マウスコンピューターでは水冷クーラーを外付けできるノートパソコンを開発しています。
工業用精製水を専用の冷却ボックスに注入・冷却し、ノートパソコンに接続して冷却水を循環させることで内部を冷却します。
冷却ボックスに対応するノートパソコンは、内部を冷却水で冷却しなければならないぐらいスペックが高い製品に限られます。(GeForce RTX 4090搭載.etc)
水冷対応ノートパソコンの検証で、水冷モード(Discreteモード)と空冷モードを比較すると、水冷モードのほうがケタ違いのパフォーマンスを発揮するのが分かりました。
チェック!
水冷ノートPCレビュー:DAIV N6-I9G90BK-Aレビュー 4K動画編集・AI画像生成を検証
動画編集用パソコンは水冷と空冷のどちらが良い? まとめ
空冷と水冷、どちらが良いかというのはパソコンを購入する上で悩ましいポイントのひとつです。
実は必ずしも水冷の方が冷却性能が高いわけではなく、性能の良い空冷であれば水冷以上の冷却機能と静音性、両方を兼ね備えているのです。
とはいえもちろん水冷が悪いということではありません。
水冷クーラーは安定した冷却性能が期待できることに加えて、パソコンのケース内をすっきり見せることができる、という違った側面からのメリットもあります。
良い環境で使うためにはPCケース内でのマザーボードとのレイアウトや、水冷に対応した電源のコネクタ等も考える必要があるなど玄人向けな部分も多い水冷ユニットですが、使いこなせれば冷却効率をさらに高めることができます。
空冷と水冷、双方のメリットやデメリット、特徴を理解した上で自分のパソコンに合っているのはどちらか選びたいですね!
水冷クーラー搭載のパソコンを揃えたおすすめのパソコンショップ
マウスコンピューター
マウスコンピューターではハイエンドモデル(主にCore i7搭載)に水冷CPUクーラーを搭載しています。
水冷CPUクーラー搭載PCを標準的に取り扱うパソコンショップの一つです。
G-Tune DG-I7G7S
CPU:Core i7-14700Fグラフィックス:GeForce RTX 4070 SUPER 12GB
メモリ:16GB PC4-25600
ストレージ:M.2 SSD NVMe Gen4 1TB
シークレット価格 ⇒279800円(税込)
※当サイトはMouse様より特別に許可を頂いてシークレット価格のページを紹介しています
レノボ
レノボも水冷CPUクーラー搭載のパソコンを取り扱っています。
ハイエンドゲーミングPCでは12cmのラジエーターファン付き水冷ユニットを搭載しています。
Lenovo Legion T5 26IRX9
CPU:Core i9-14900HXグラフィックス:GeForce RTX 4070 SUPER 16GB
メモリ:32GB PC5-38400
ストレージ:M.2 SSD NVMe Gen4 1TB
315150円(税込)
ドスパラ
ドスパラでは静音パックまんぞくコースという大型ヒートシンク搭載の低回転CPUファンにこだわっています。
標準的には水冷ユニット搭載PCを取り扱っていませんが、カスタマイズで対応してもらえるようですね。
GALLERIA ZA9C-R47
CPU:Core i9-14900KFグラフィックス:GeForce RTX 4070(12GB)
メモリ:32GB PC5-38400
ストレージ:M.2 SSD NVMe 1TB Gen 4
359980円(税込)
※12月4日時点の価格です。最新の価格は公式ページをご確認下さい