※2024年8月に更新しました。また本ページにはプロモーションが含まれています。
マウスコンピューターのゲーミングパソコン G-Tune HL-B-6600XTをレビューします。
Mini-ITXのケースを採用したミニサイズのデスクトップパソコンで、ビデオカード Radeon RX 6600 XTを搭載しています。
最近人気が高まるAMD製グラフィックカードは動画編集にどのぐらい威力を発揮するのか?検証してみます。
>>G-Tune HL-B-6600XTの動画編集検証をすぐに確認する
目次
G-Tune HL-B-6600XT
CPU:インテル Core i7-11700
メモリ:16GB PC4-25600
グラフィックス:Radeon RX 6600 XT 8GB
ストレージ:M.2 SSD NVMe 512GB
電源:700W 80PLUS BRONZE
186,780円(税込)
G-Tune HL-B-6600XTを使ってみた感想
G-Tune HL-B-6600XTを使ってみて良いな!と思ったポイントは
良きポイント
✅場所をとらないサイズなのにHDDやSSDの追加ができて優れたデザイン
✅Radeon RX 6600 XTは動画編集でも問題なし
✅WiFi・Bluetoothが便利。ワイヤレスヘッドホンが使える
といった感じです。
シェアオフィスのロッカーに収納できれば、ノートパソコンすら持っていくことも不要になるかもしれません。
仕事スペースが狭い。
ワンルームマンションでも高性能なゲーミングデスクトップパソコンが欲しい。
そんな方にはコンパクトサイズながらも性能に妥協がないG-Tune HL-B-6600XTはとても満足できるパソコンです。
この記事で解説したような不満は多少あるものの、このサイズ(Mini-ITX)でパソコンを自作するのは難易度が高いので私も1台欲しくなりました。
特にワイヤレスでパソコン周りをスッキリさせたい方には強くお勧めします。
G-Tune HL-B-6600XTの仕様と性能
G-Tune HL-B-6600XTはとにかくサイズが小さいです。
幅は18cm、高さ33cm(ハンドル含む)、奥行きは約40cm(突起部分も含む)です。
フタを開けてみると電源ユニットがスペースの大半を占めている状況で、空きスペースにCPUファンやビデオカードが密に詰まっている様子が分かります。
重量は約7.5kgと重みがあるので、ケースのハンドルで方手持ちは出来ませんが、パソコンの移動は容易ですね。
キレイに配線して組み立てられており、意外な場所にHDDやSSDの追加スペースがあるのに驚かされました。
G-Tune HL-B-6600XTの主な仕様
CPU | Core i7-11700 (8コア / 16スレッド / 2.50GHz / TB時最大4.90GHz / 16MBスマートキャッシュ) |
チップセット | インテル B560 |
CPUクーラー | 空冷 |
メモリ | 16GB (DDR4-3200(PC4-25600)8GB×2 / デュアルチャネル) |
グラフィックカード | Radeon RX 6600 XT GDDR6 8GB |
ストレージ | M.2 SSD NVMe (PCIe 3.0)512GB |
電源 | 700W【80PLUS BRONZE】 |
その他 | インテル® Wi-Fi 6 AX200(最大2.4Gbps対応 / IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n) Bluetooth 5モジュール内蔵 |
本体重量 | 7.5kg |
G-Tune HL-B-6600XTの良い点に、コンパクトサイズながらも性能は十分で、ゲーム・動画編集・ライブ配信に十二分の性能を持っている点が挙げられます。
第11世代のCore i7-11700に16GBメモリと8GBのビデオメモリとなるRadeon RX 6600 XTを搭載しています。
PCMark10でベンチマークスコアを計測すると総合スコアが7478。デジタルコンテンツクリエイションが11153とかなり高い値を叩き出します。
その他のスコアは以下の通り。
写真編集スコア:18118
レンダリングスコア:15299
ビデオ編集スコア:5005
これなら4K動画編集にも対応できるかも。期待は膨らみます。
Blackmagic RAW Speed Testの評価も見てみました。
CPUは8K30Pまで対応し、ビデオカードの性能は6K30Pまで対応できるという判定が出ています。
同じビデオメモリ量となるRTX 3060 Ti搭載パソコンと比べるとやや性能は劣るように見えますが、ビデオカードの価格差が大きいので致し方がない結果かもしれません。
RTX 3060 Tiは4K動画編集でもややオーバースペックなパフォーマンスなので、ライトな動画編集 + ゲーム用途で使うならRadeon RX 6600 XTで不満を感じることは少ないでしょう。
G-Tune HL-B-6600XTの外観
G-Tune HL-B-6600XTは底面に広く通気口があり、背面にCPUファンの風を外に逃がす構造になっています。
背面のインターフェース(接続端子)はUSB2.0が1つ、USB3.1 (10Gbps)が2つ、USB Type-C(USB3.2 20Gbps)が1つです。
USB Type-Cについては映像出力非対応(データのやり取りのみ)です。その他オーディオ出力・マイク入力の端子は背面と前面にも備わっています。
グラフィックカードの接続端子はDisplayPort が3つとHDMIが1つです。
ケース左側面のカバーは全面がメッシュ構造になっており、外すと電源ユニットのファンが確認できます。
小型でPCパーツが密接しているため、ケース全体に通気口があって内部の熱を逃がす構造になっています。
右下には2.5インチのSSDを1つ搭載できる空きベイが用意されています。
右側面にはフタを開けるとさらにもう一つカバーがあります。
このカバーにも2.5インチの空きベイがあり、薄型のSSD(SATA)を2基備え付けられるようになっています。
そして驚いたことにこのカバーを取り外すと、裏側にはさらに3.5インチのHDDを備え付けるスペースがあることが分かりました。
僅かな空きスペースに保存ディスクをたくさん追加できる構造で、とても良く考えられたPCケースで秀逸です。
G-Tune HL-B-6600XTの主な特長
G-Tune HL-B-6600XTに搭載のCore i7-11700には小型の空冷CPUファンが備わっています。
PCケースの空きスペースの都合上水冷ユニットは搭載できそうにありませんが、Core i7-11700は空冷ファンでも十分冷却できるCPUです。
メモリは8GB2枚挿しの合計16GBで、メモリの空きスロットはありません。
メモリ増築はメモリ交換となるので注意が必要です。
この記事を書いている時点で、インテルCPUは第12世代が最新です。
第12世代インテルCPUは第11世代からコア数・スレッド数が増加し、ベンチマークスコアも50%以上上昇しています。
一方、Core i7-12700は発売して間もないのでやや割高感があります。
最新のCPUにこだわり、予算が十分にある方はCore i7-12700を選ぶのが良いですが、Core i7-11700でも十分な性能を持っていて割安になっている今がお買い得でしょう。
ビデオカードのRadeon RX 6600 XTはオリジナルファンモデルでメーカーはPowerColor(台湾)です。
Radeon RX 6600 XTは2021年8月から発売開始しており、単品の販売価格は6.3万円ほど(2022年2月時点)のビデオカードです。
TSMC製のチップで7nmプロセスルールが採用されています。
ビデオカードの性能はPassMark調べでGeForce RTX 2070とQuadro RTX 4000の間の性能となっています。
定格クロック数は1,968MHz、ブースト周波数は最大2,589MHzでCUDAコア数は2048基。
TDP値はやや低く160Wに止まり、ここ最近発売のビデオカードの中では省電力な部類になります。
またG-Tune HL-B-6600XTの起動ディスクはM.2 SSD(PCIe 3.0)で、CPUクーラーのすぐ下にM.2ソケットが二つ連なっています。
M.2 SSDを二つ分冷却できるよう大型のヒートシンクも装備されているのが特長です。
標準装備のM.2 SSDの読書速度はシーケンシャルリードで2,287MB/s、シーケンシャルライトが1,685MB/s。
ランダムリードが629K、ランダムライトが577Kで標準的なM.2 SSDの読書速度です。
購入時にもう一基追加が可能で、最大4TB(2TB×2 非RAID)のデータ保存領域を構築可能です。
G-Tune HL-B-6600XTはフロント部の側面に電源スイッチとUSB端子(USB3.0 5Gbps)が2つとマイク入力・ヘッドホン出力端子が並んでいます。
私はワイヤレスキーボードとワイヤレストラックボール(マウス)を使っているので、前のUSB端子に受信機を接続して使いました。
このように子機を二つ並べて差し込むと、抜くときに外しにくくてちょっと困りました。
USBワイヤレス受信機は背面のUSB端子に挿し込むほうが良いかもしれません。
G-Tune HL-B-6600XTのハンドルは50kgの負荷にも耐え、抜け落ちしない構造となっているようで、握った感じで耐久性はかなりありそうです。
グリップ部分は細かな溝があるので滑りにくく安心感があります。
ハンドルがあることでパソコンを持ち運び上げやすいので、パソコン移動の際は重宝するはずです。
マウスコンピューターのパソコンケースはこの他にExtra ATX、ATX・Micro ATXと色々ありますが、このMini-ITXが一番利便性が高いです。
G-Tune HL-B-6600XTで動画編集の検証
それではG-Tune HL-B-6600XTで動画編集を検証してみます。
今回は3種類のカメラで収録した撮影データを使いました。
使用した映像データ
✅SONY α7SⅢ:4K30P・4K60P 4:2:2 10bit(XAVC S-I)
✅LUMIX GH5II:4K30P ALL-I 4:2:2 10bit
✅BMPCC 6K Pro:Blackmagic RAW 6K30P Q5 4:2:2 12bit
Premiere Pro 4K30Pカット編集
まずはPremiere Proで動画編集を実施してみます。
プログラムモニターの画質設定は常に「フル画質」で検証しています。
また、Premiere Proの環境設定では「ハードウェアによる高速デコーディング」で「AMD」にチェックしています。
SONY α7SⅢの撮影素材
まず最初にG-Tune HL-B-6600XTにα7SⅢ の撮影データ(4K30P 4:2:2 10bit XAVC S-I)を使ってカット編集・テロップ・BGMを挿入してみます。
再生中のCPU使用率は39%前後を推移し、GPU(Radeon RX 6600 XT)の使用率は9%前後を推移します。
RTX 3XXXシリーズに比べて、編集時のビデオカード活用はやや少なめのようです。
動画に字幕とBGMを追加した2分のシーケンスを再生した場合のコマ落ちは0フレームとなりました。
α7SⅢの4K30P 4:2:2 10bitデータは快適に編集可能です。
次にα7SIIIの4K60P 4:2:2 10bit XAVC S-Iで検証してみます。
再生中のCPU使用率は65%前後で推移します。
GPUの使用率は4K30Pのデータ使用時からむしろやや下がり6%前後で推移します。
2分のシーケンスをプレビューしたときに発生したフレーム落ちは6965フレームとなり、再生中のカクつきはかなり発生します。
4K60P 4:2:2 10bitの1トラック編集はG-Tune HL-B-6600XTで厳しそうです。
同じCPU(Core i7-11700)でもビデオカードがRTX 3060の製品ではもっと楽に再生するので、SONY α7SIIIで撮影できる高画質のデータはRTX 3XXXシリーズの方が相性が良さそうです。
尚、4K30Pのデータの場合はRadeon RX 6600 XTでも十分対応できています。
参考情報:DAIV Z7-MVPRでα7SⅢの4K30P/60P動画編集を検証するよ
LUMIX GH5IIの撮影素材
次はLUMIX GH5IIの4K30P 4:2:2 10bit All Intraで動画編集してみます。
CPU使用率は28%前後を推移し、GPU(Radeon RX 6600 XT)の使用率は9%前後で推移します。
LUMIX GH5IIとSONY α7SIIIの映像データがパソコンに及ぼす負荷の大きさは同程度のようです。
2分のシーケンスのうちコマ落ちは0フレームとなりました。
G-Tune HL-B-6600XTによるLUMIX GH5IIの4K30P 10bit 1トラック編集は問題なく実行可能です。
4K⇒4K書き出し(Premiere Pro)
次にG-Tune HL-B-6600XTとPremiere Proで書き出しテストを行います。
書き出したのはLUMIX GH5II(4K30P 4:2:2 10bit All Intra)の映像素材を乗せたシーケンスです。
書き出し設定は4Kシーケンス(2分)からH.264形式で 4K(UHD 3840×2160)、ターゲットビットレートは30MbpsのVBR 1パス。
ハードウェアエンコーディングとソフトウェアエンコーディングでそれぞれ書き出し時間を計測します。
書き出し時間はそれぞれ以下のようになりました。
4K書き出し(2分の動画)
ソフトウェアエンコーディング | 2分50秒 |
ハードウェアエンコーディング | 1分02秒 |
書き出し時のCPUやGPUの使用率もチェック。
ソフトウェアエンコーディングではCPUの使用率が100%、GPU(Radeon RX 6600 XT)の使用率は6%前後となりました。
続いてハードウェアエンコーディングではCPUの使用率が72%前後まで下落し、GPU の使用率が7%前後で推移しています。
書き出し時間はハードウェアエンコーディングの方がやっぱり速く完了します。
ただ、GPU支援の書き出しであるハードウェアエンコーディングの割には、Radeon RX 6600 XTがそこまで動いてくれていない感じはありますね。
DaVinci Resolve Studio 17 6K30P BRAW カット編集
次にBMPCC 6K Proで撮影したBlackmagic RAW 6K30P Q5の素材を使って編集してみます。
Blackmagic RAW Speed Testでは6K30Pまで問題なく対応できるという結果が出ていましたよね。
Blackmagic RAW 6K30P Q5でカット編集・字幕・BGM追加でプレビューしているときのCPUの使用率は34%前後を推移し、GPUの使用率は33%前後を推移します。
検証前に測定したベンチマークの通り、6K30PのBlackmagic RAWなら問題なしです。
DaVinci ResolveではGPUが良く機能しているように思えました。
G-Tune HL-B-6600XTの検証とレビューまとめ
G-Tune HL-B-6600XTはCPU・メモリ・ストレージの性能で4K30Pは十分動画編集できるだろうなという予想通りの結果です。
検証ではGPU の動きはRTX 3XXXシリーズに比べてやや動きが悪く、中でもPremiere Proによる編集では大きく望まないほうが良さそうな感じです。
一方でRadeon RX 6600 XTはDaVinci Resolveで動きがよく、編集も快適に出来る傾向があるのでDaVinci Resolveメインで動画編集するには良いですね。
動画編集に関係ない部分ですが、G-Tune HL-B-6600XTはWiFiとBluetoothを搭載しています。
これが結構便利で、デスクトップパソコンなのにワイヤレスヘッドホンをペアリングでき、音楽を聴きながらのパソコン作業とてもやり良いです。
G-Tune HL-B-6600XTはライトな動画編集とゲーミング用途を想定している方にはピッタリのパソコンと言えます。
何よりこのコンパクトさは素晴らしい!
G-Tune HL-B-6600XTの内部構造を見て、Mini ITXのパソコン自作は難しそう..。これなら絶対高品質なBTOパソコンを買った方がイイと思いました。
ワンルームや作業部屋が狭いけどカスタマイズしやすいデスクトップパソコンで動画編集・ゲームを楽しみたい方にG-Tune HL-B-6600XTはおススメです。
G-Tune HL-B-6600XT
CPU:インテル Core i7-11700
メモリ:16GB PC4-25600
グラフィックス:Radeon RX 6600 XT 8GB
ストレージ:M.2 SSD NVMe 512GB
電源:700W 80PLUS BRONZE
186,780円(税込)