※2024年8月に更新しました。また本ページにはプロモーションが含まれています。
日本では2022年9月30日にRyzen 7XXXシリーズが発売開始となりました。
Ryzen 7XXXシリーズのCPUは徐々にBTOパソコンにも採用されておりますので、パソコンを自作しない方でもRyzen 7XXX搭載パソコンの導入を検討し始めているかもしれません。
ここではドスパラ通販サイトを運営するサードウェーブからRyzen 7 7700X搭載のraytrek AXF 7700Xをお借りし、動画編集の検証を実施してみようと思います。
4K動画編集者の大本命グラフィックカード GeForce RTX 3070を搭載し、新規格のDDR5メモリーを32GB積んだモリモリのスペックです。
予想では4K~6K動画編集に十分な性能。8Kに対応できるのか気になるところ。
プロ仕様の動画編集用パソコンをAMD Ryzen 7XXXシリーズで検討している方、Ryzen 5XXXシリーズからCPUをアップグレードするか悩んでいる自作PCユーザーの方はぜひ読んでみてください。
raytrek 4CAXF
raytrek AXFはリニューアルし外観・仕様が変更しました
CPU:AMD Ryzen 7 7700X
メモリ:16GB PC5-38400
グラフィックス:GeForce RTX 3070 8GB
ストレージ:NVMe M.2 SSD Gen4 1TB
339,980円(税込)
目次
raytrek AXF 7700Xを使ってみた感想
raytrek AXF 7700Xは厳選されたパソコンパーツで仕上げられたクリエイター向けパソコンで、カスタマイズ性の高さがとても優れています。
中でもM.2 SSDの追加スロットの多さ(4つ)は他のBTOパソコンの頭一つ抜けています。
起動ディスクのスロットにおいてはM.2 Gen5なので、5年以上の運用でもパーツ交換の必要なく使えるはずです。
ちなみにRyzen 7XXXシリーズからCPUソケットがAM4からAM5に変更となりました。
そしてAM5からソケットにカバーが用意されたので、自作PCユーザーも将来的にCPUを交換するのに安心です。(スッポン現象が起きにくい)
ちなみにRyzen 7XXXシリーズから内蔵GPU(Radeon グラフィックス)が標準的に組み込まれていますが、動画編集用途では全く機能していないことがわかりました。
これは編集ソフトにもよるかもしれませんが、PremiereProやDaVinci Resolveで機能していないとなると、多くの動画編集者は内蔵GPUの恩恵は得られないかと思います。
まあ、raytrek AXF 7700Xはビデオカードが強力なGeForce RTX 3070なのでその点は大した問題でもありません。
結論として、raytrek AXF 7700Xは動画編集ユーザーにとって強力な相棒になってくれることは間違いありません。スゴイPCです。
raytrek AXF 7700Xの長所・短所
raytrek AXF 7700Xのメリットを挙げてみましょう。
raytrek AXF 7700Xの長所
AMD Ryzen7 7700X 性能十分
ASRock マザーボード AMD X670E!モリモリのインターフェース
M.2 SSD Gen4 + DDR 5メモリ
1AMD Ryzen 7 7700Xは動画編集にも威力を発揮
AMD Ryzen 7 7700Xは2020年11月に発売したRyzen 7 5800Xの後継品です。
アーキテクチャーはZen 3からZen 4に更新し、プロセスルールも7nmから5nmに微細化しています。
参考情報:AMD Ryzen 7000 シリーズ プロセッサー(Zen 4) とは|パソコン工房ネクスマグ 技術解説資料
Ryzen 7 7700Xは8コア16スレッドとなっており、この点においてはRyzen 7 5800Xから変更していません。
一方、Ryzen 7XXXシリーズからGPU(Radeon Graphics)を内蔵しているのが注目したいポイントです。
CPU MarkのベンチマークスコアではRyzen 7 7700Xは36443で、Ryzen 7 5800Xと12000ポイントの差をつけています。(上の表の緑枠参照)
上の画像は過去に動画編集の検証をしたRyzen 7 5800X 搭載のraytrek ABV(現在は販売終了)と、raytrek AXF 7700XのPCMark 10スコア結果です。
この結果を見てもスコアの差は大きく、raytrek AXF 7700Xに期待を寄せてしまいます。
Ryzen 7はRyzen 9と比べると、販売価格を抑えつつ優れた電力効率のCPUとなっているので長時間使用する動画編集に最適と言えるでしょう。
2ASRock AMD X670E マザーボードを採用
Ryzen 7XXXシリーズからCPUソケットがAM4からAM5に変更となっています。
今回検証機としてお借りした raytrek AXF 7700XにはASRock X670E PG Lightningと思われるマザーボードが採用されています。
ASRock X670E PG LightningにはM.2 SSDが最大4基搭載できるソケットが用意されており、起動ディスクのソケットはM.2 SSD Gen5にも対応しています。
関連情報:X670E PG Lightning|ASRock
将来的に起動ディスクを交換することになった場合も新しい規格のM.2 SSDを搭載できるというメリットがあります。
ちなみにドスパラ通販サイトの仕様を確認するとraytrek AXF 7700Xのマザーボードが記載されていないので、購入時期によっては変更される可能性がありますのでご注意を。
3M.2 SSD Gen4 + DDR 5メモリ・水冷クーラーなどモリモリの仕様
raytrek AXF 7700XはCPUクーラーに簡易水冷ユニットを採用しています。
またメモリは新規格のDDR5-4800(PC5-38400)で32GBの動画編集向け容量です。
Ryzen 7XXXシリーズも5XXXシリーズと同様に高帯域のメモリが推奨されているので、raytrek AXF 7700Xでは相応な性能のメモリが搭載されています。
参考情報:AMD Ryzen 7 7700X 仕様|AMD公式
ビデオカードはGeForce RTX 3070、電源ユニットはSILVERSTONE製の750W(80PLUS GOLD)です。
これだけモリモリの装備なのでややお値段が高いのも否めません。
raytrek AXF 7700Xの短所
raytrek AXF 7700Xは(この記事を書いている時点で)発売間もない最新CPU Ryzen 7XXXシリーズを搭載しているのもあって価格がやや高めです。
また、発売したばかりのCPUに対応する最新マザーボードも販売価格が割高になります。
これはRyzen 5XXXシリーズが発売したばかりの時と状況が似ており、時が経てば価格は下落するかもしれません。
しかし2021年ほどではないにせよ、高性能な半導体の需要は依然として高いので、しばらく待ってホントに値段が下がるのかは不明確です。
早めに手に入れるか?待つのがおトクか?判断が難しいでしょう。
raytrek AXF 7700Xの仕様とベンチマークを確認
CPU | Ryzen 7 7700X (4.5GHz-5.4GHz/8コア/16スレッド/内蔵グラフィックス搭載) |
CPUファン | 簡易水冷ユニット(650LX Gen6 120mm水冷ラジエーター) |
マザーボード | AMD X670E(検証機はASRock X670E PG Lightning) |
メモリ | 32GB DDR5-4800(PC5-38400/16GBx2/2チャネル) |
ビデオカード | NVIDIA GeForce RTX 3070 8GB GDDR6 |
ストレージ | M.2 NVMe SSD Gen4 1TB |
電源ユニット | 750W 静音電源 (80PLUS GOLD) |
その他 | SDカードスロット・マウス・キーボード |
raytrek AXF 7700Xのベンチマーク
raytrek AXF 7700XのベンチマークをPCMark10とDaVinci Resolve Speed Testで計測しています。
PCMARK10でベンチマークを計測したところ、スコアは8837となっています。
その他のスコアは以下のようになっています。
Photo Editing Score(写真編集):19999
Rendering and Visualization Score:18236
Video Editing Score:8719
次にraytrek AXF 7700XのRAW動画編集性能をDaVinci Resolve RAW SpeedTestで計測してみます。
結果はCPU性能が8K50PのRAW動画編集に対応でき、グラフィックス性能については8K60PまでのRAW動画編集をこなせるという結果が出ています。
インテルCPUとの比較
競合CPUのインテルは第12世代でコア数を大幅に増やした上に、性能重視のコア(パフォーマンスコア)と効率重視のコア(エフィシャントコア)と分けることでTDP値を下げています。
一方のRyzen 7 7700Xは8コアでCore i7-12700Kを上回る性能となっており、1コア単位の性能でもインテルを上回ったことが分かります。
これが動画編集用途でどの程度差が現れるのか?検証が楽しみです。
Core i7-12700の動画編集検証は以下のページで実施していますので参考にご覧ください。
価格を重視されるなら、Ryzen 7XXXシリーズの登場で価格が安くなったインテル第12世代Core i7搭載モデルもおススメです。
raytrek AXF 7700Xの①起動ディスクはCPUとグラフィックカードの中間にあり、ヒートシンクに覆われております。
この①のスロットがNVMe 5.0に対応しておりますので、将来的にNVMe 5.0 M.2 SSDに交換することが可能です。
なんでも読み書き速度が12GB/sになるとか。たぶん高価でしょうけど楽しみですね。
次に①の起動ディスクから一番離れた場所にあるのが②のスロットで、こちらはNVMe 4.0 ×4に対応。ヒートシンクがあります。
その上にあるのが③のNVMe 4.0 ×2のスロットです。
最後にビデオカードで見えない位置にあるのがNVMe 3.0 ×4のM.2 SSDスロットです。
これだけM.2 SSDスロットがあれば、読み書き速度が遅いHDDを使用する必要がないかもしれません。
raytrek AXF 7700Xの起動ディスク 読み書き速度
M.2 SSD NVMeとHDDの読み書き速度をCrystalDiskMarkで計測してみました。
シーケンシャルリード(読込)が6,830MB/s、シーケンシャルライト(書込)が5,087MB/sです。
ランダムリードは803MB/sでランダムライトが600MB/sとなっています。
起動ディスクのM.2 SSDはSeagateの高耐久性 FC530シリーズ(読込速度 7300MB/s 書込速度 6900MB/s)にアップグレードすることも可能です。
ただ残念なことに、M.2 SSDの追加はドスパラ通販サイトで構成変更の対象外になっています。
取付は簡単なので、頑張って自分で追加しましょう。
raytrek AXF 7700Xのケースは2.5インチのSATA SSDをさらに3つ搭載できるスペースが確保されています。
左側面のケース扉を開けるとHDDのスロットが8基も備わっています。
raytrekのケースは見た目の派手さはありませんが、SSDやHDDの拡張性能は非常に優れているのが良く分かります。
raytrek AXF 7700Xは保存ディスクの拡張性に優れたパソコンなので、動画編集用途で十分に活用できますね。
raytrek AXF 7700Xの外観と付属品
raytrek AXF 7700Xはraytrek ATX仕様の定番ケースが採用されており、フロントにはSDカードスロットとUSB接続端子(USB3.0 x2)ヘッドホン出力、マイク入力の端子が備わっています。
また背面にはUSB3.2 Gen1(Type-A) が6つあり、さらにLANポートも2.5Gb対応なのでゲーム用途に使う分にも不満は出ないはずです。
またグラフィックカード(GeForce RTX 3070)の映像出力端子はHDMIが1つ、DisplayPortが3つ備わり、8K解像度で最大4台のモニターに映像出力可能です。
そしてケースの上面と側面、底面はメッシュ構造になっており、ケース内部の温度を冷却するためのエアフローが施されています。
さらにraytrek AXF 7700Xはキーボードやマウスも標準で付属しているので、液晶ディスプレイさえあればすぐに使い始めることができるのも魅力です。
raytrek AXF 7700Xの動画編集性能を検証
raytrek AXF 7700Xの動画編集検証で使う撮影素材は
動画編集検証で使用するデータ
✅LUMIX GH6 4K120P(MOV LongGOP 4K119.88p 422 10bit 300Mbps HLG)
✅LUMIX GH6 6K30P(MOV LongGOP 6K29.97p 4:2:0 10bit 200Mbps HLG)
✅SONY α7SⅢ 4K60P(XAVC HS LongGOP 4K60P 4:2:2 10bit 200Mbps)
✅SONY α1 8K30P(XAVC HS LongGOP 8K29.97P 4:2:2 10bit 520Mbps)
✅BMPCC 6K Pro 6K30P(Blackmagic RAW 6K 2.4:1 30P 422 12bit 固定クオリティ Q5)
を使います。
動画編集ソフトはPremiere ProとDaVinci Resolve Studio 18を用います。
Premiere Proの各種設定
プロジェクト設定ではレンダラーに「Mercury Playback Engine – GPU高速処理(CUDA)」を選択し、環境設定では「H.264 HEVC ハードウェアによる高速処理デコーディング」と同じくエンコーディングにチェックを入れます。
メモリ設定はPremiere Pro用に確保するメモリ容量を最大(28GB)にします。
コマ落ちインジケーターを表示してプレビュー中に発生するコマ落ちフレーム数をチェックします。
なお、検証前にビデオカード(GeForce RTX 3070)のドライバーは最新のStudioドライバーに更新しています。
1.LUMIX GH6 4K120P(MOV LongGOP 4K119.88p 420 10bit 300Mbps HLG)
まずはraytrek AXF 7700XでLUMIX GH6で撮影した4K120P映像データのカット編集を試みます。
通常フレームレートが大きくなるほどパソコンへの負荷も大きくなりますが、GH6の4K120Pではどうでしょうか。
GH6 で撮影したMOV LongGOP 4K119.88p 420 10bit 300Mbps HLGのデータを4K30Pのシーケンスに並べてカット編集・テロップ・BGMを挿入してみます。
再生中のCPU使用率は7%前後を推移し、内蔵GPU(Radeon グラフィックス)の使用率は0%。
GeForce RTX 3070は62%前後を推移します。
クロマサブサンプリングが420のため、10bitデータでもパソコンの負担は少なくサクサクと再生し余裕で動画編集ができます。
次に同じシーケンスに調整レイヤーを追加し、Premiere ProのLumetri カラーで基本補正を行った後、簡単なカラーグレーディングを実施します。
再生中のCPU使用率は8%前後でほとんど変化がなく、内蔵GPU(Radeon グラフィックス)の使用率は依然として0%のまま。
GeForce RTX 3070は76%前後を推移し、やや上昇しています。
2分00秒のシーケンスをフル画質設定で最初から最後まで再生すると、コマ落ちインジケーターでは0フレームのコマ落ちとなりました。
raytrek AXF 7700Xで4K120P 4:2:0 10bitは全く問題なく編集できると思います。
2.LUMIX GH6 6K30P(MOV LongGOP 6K29.97p 4:2:0 10bit 200Mbps HLG)
それでは次にLUMIX GH6の6K30Pに解像度を上げて動画編集をやってみましょう。
使用した動画データはMOV LongGOP 6K29.97p 420 10bit 200Mbps HLGです。
GH6の6Kは5760×4320のアナモルフィック(4:3)と5728×3024(17:9)を選ぶことができ、最高画質の5760×4320のアナモルフィックはフレームレートが29.97pです。
また6Kは全て420 10bitでもあるので、4:2:2 10bitに比べると色差成分が間引かれていますので負荷は少ないはずです。
最終的に4Kに出力するけど、ガンガンクロップして編集したい。
一段階上の解像度でアーカイブを残したいという場合には最適な撮影データでしょう。
ちなみに私はアナモルフィック(4:3)で作品を作ることがないので、ここでは4K30Pのシーケンスに6K29.97P(5760×4320 アナモルフィック)の撮影素材を乗せて検証します。
また文字タイトル・BGMもタイムラインに追加して再生してみます。
CPU使用率は11%前後を推移しており、CPUに対する負荷は少ないです。
GPUの使用率は80%前後を推移します。
メモリの消費量が20.7GB(67%)とやや多いですが、この程度の負荷なら全く問題ありません。
ちなみに6K編集時も内蔵GPUの使用率は0%です。
2分のシーケンスを最初から最後まで再生したときに発生したコマ落ちは0フレームとなりました。
この様子ならraytrek AXF 7700XでLUMIX GH6の6K29.97p 420 10bitはかなり複雑な編集にも耐えることができるでしょう。
3.SONY α7SⅢ 4K60P(XAVC HS LongGOP 4K60P 4:2:2 10bit 200Mbps)
次にSONY α7SⅢで撮影した4K(UHD)59.94P 4:2:2 10bit(MOV)の素材を使ってカット編集+カラーグレーディングを実施してみます。
今回検証したデータの中では色差成分も十分、フレームレートも60Pでリッチなデータです。
CPUの使用率は55%前後の高い数値で推移し、内蔵GPUは相変わらず0%。
GeForce RTX 3070は70%前後を推移します。
3分08秒のシーケンスを再生して発生したコマ落ちフレームは13フレームで多少フレーム落ちはありますが再生は滑らかです。
raytrek AXF 7700Xはα7SⅢで撮れる4K60P 422 10bitのカラーグレーディングは問題なくできます。
4.SONY α1 8K30P(XAVC HS LongGOP 8K29.97P 4:2:2 10bit 520Mbps)
次はお待ちかねの8K動画編集です。
Premiere Proにデータを読み込み、8K30Pのシーケンスにα1の撮影データを乗せてみます。
8Kデータの読み込みを開始したところからPremiere Proの動きがモタモタし始め、タイムラインに素材を乗せるまで一苦労です。
再生してみると、映像が飛んで大量のコマ落ちが発生します。再生ヘッドをむやみに動かすと固まりますね。
再生中のCPU・GPUの動きをタスクマネージャーで確認してみると、CPUの使用率は常時100%で推移します。
メモリの消費量は32GBのうち26.3GB(85%)消費しています。
一方、GPUの使用率は内蔵GPUが相変わらず0%で推移し、GeForce RTX 3070は75%前後を推移します。
グラフィックカードは十分動いているようですが、それでもCPUが100%になるので完全にスペック不足です。
9分31秒耐え忍んで再生してみたところ、コマ落ちは16944フレームとなりました。
編集ソフトを変更すればもう少し改善するかもしれません。
そこで同じデータをDaVinci Resolve Studio 18で読み込み編集してみました。
DaVinci Resolve Studioの8K30P編集の前準備で実施した設定を紹介します。
メニューバーの「DaVinci Resolve」⇒「環境設定」を選択。
次に「メモリー&GPU」のタブを開いて、GPUコンフィグレーションの覧の「GPU処理モード」と「GPU選択」に自動のチェックが入っているのを確認します。
次に「デコードオプション」の「H.264/H.265のデコードにハードウェアアクセラレートを使用」と「NVIDIA」にチェックを入れます。
ちなみにAMDはチェックをいれません。
(チェックの有無で結果は変わりませんでした。内蔵GPUの使用率はDaVinci Resolveでも0%となります)
次にプロジェクト(タイムライン)設定です。
メニューバーの「ファイル」⇒「プロジェクト設定」を選びます。
ここではプロジェクト設定画面中のタイムラインフォーマットにある「タイムライン解像度」で「8K Ultra HD」を選びます。
SONY α1の8K30Pは16:9(Ultra HD)なので、解像度の数値を7680×4320になります。
次にビデオモニタリングの「ビデオフォーマット」で8K UHD 4320p 29.97を設定して完了します。
DaVinci Resolve Studioではタイムラインプロキシモードをオフ、レンダーキャッシュをオフにして自動的に再生を軽量化する設定を外します。
8Kのタイムラインを再生したところ、CPU使用率は38~70%前後を乱高下しながら推移し、内蔵GPUの使用率は0%、GeForce RTX 3070は83%、メモリ消費量は10.4GBとなります。
Premiere Proに比べるとCPUに対する負荷やメモリの消費量も少なく、Premiere Proに比べてコマ落ちが少ないような感じもします。
しかし映像が飛び飛びになるので、快適に動画編集できるという次元のものではありません。
Premiere ProとDaVinci Resolveはどちらも元の解像度から低解像度のデータを作成して編集するプロキシ編集ができるので、8Kは今のところプロキシ編集を利用せざるを得ないでしょう。
5.BMPCC 6K Pro 6K30P(Blackmagic RAW 6K 2.4:1 30P 422 12bit 固定クオリティ Q5)
最後にBlackmagic RAW(6K 2.4:1 30P 422 12bit 固定クオリティ Q5)のクリップでRAWデータの編集も検証しておきましょう。
クリップを並べて再生した際のCPU使用率は12%前後を推移します。
内蔵GPUの使用率は0%で、RTX 3070の仕様率は31%前後で推移しメモリの消費量は6.8GBで動きます。
DaVinci Resolveのカラーパネルで簡単なカラーグレーディングを実施した場合のCPU使用率は14%前後、RTX 3070の仕様率は28%前後でメモリの消費量は7.5GBです。
DaVinci Resolve RAW SpeedTestで計測したベンチマーク通り、Blackmagic RAW 6K30Pは問題なく編集できます。
むしろややオーバースペックなので、Blackmagic RAWによる編集がメインとなる場合は、raytrek AXF 7700Xよりも低価格のパソコンを選んで問題ありません。
4K⇒4K書き出し(Premiere Pro)
次にraytrek AXF 7700XとPremiere Proで書き出しテストを行います。
書き出したのはLUMIX GH6(4K60P 4:2:2 10bit)の映像素材を乗せたシーケンスです。
書き出し設定は4Kシーケンス(2分4秒)からH.264の4K(UHD 3840×2160)、ターゲットビットレートは50MbpsのVBR 1パス。
ハードウェアエンコーディングとソフトウェアエンコーディングでそれぞれ書き出し時間を計測します。
書き出し時間はそれぞれ以下のようになりました。
4K書き出し(2分4秒の動画)
ソフトウェアエンコーディング | 2分54秒 |
ハードウェアエンコーディング | 58秒 |
書き出し時のCPUやGPUの使用率もチェックしています。
ソフトウェアエンコーディングではCPUの使用率が100%でグラフィックカードの使用率は100%で推移します。
ソフトウェアエンコーディングでもビデオカードがフル稼働するのはやや意外な結果です。
続いてハードウェアエンコーディングではCPUの使用率が72%前後で推移し、GPUの使用率が94%前後で推移します。
ここでも内蔵GPUは0%で一切動いている気配を見せません。コイツはいつ起きるのでしょうか?(゚Д゚;)
書き出し時間はハードウェアエンコーディングの方が断然速く、2分04秒のシーケンスを1分以内で書き出し完了しています。
ソフトウェアエンコーディングも動画の尺よりも少し長いぐらいの時間で書き出し完了したので、十分許容範囲の書き出し時間でしょう。
もっとエフェクトを多用したり複雑な編集を行った場合は、書き出し時間がもう少し延長されると思います。
raytrek AXF 7700Xレビューと動画編集の検証 まとめ
raytrek AXF 7700Xは4K~6Kの動画編集がサクサク快適にこなせる強力なクリエイターパソコンです。
さすがに8K30Pデータは快適に動きませんでしたが、この記事を書いている時点で8Kのデータを扱わなければならない動画編集者はかなり少ないはず。
特にraytrek AXF 7700XのM.2 SSDスロットの多さはスゴイの一言。
空きスロットにM.2 SSDを差し込んでフォーマットすれば使えるので、自作パソコンやったことがない方でも簡単に追加出来るはずです。
プロ向けの動画編集用パソコンを求める方にぜひ手にしてほしいパソコンですよ。
raytrek 4CAXF
raytrek AXFはリニューアルし外観・仕様が変更しました
CPU:AMD Ryzen 7 7700X
メモリ:16GB PC5-38400
グラフィックス:GeForce RTX 3070 8GB
ストレージ:NVMe M.2 SSD Gen4 1TB
339,980円(税込)