※2024年12月に更新しました。また本ページにはプロモーションが含まれています。
私は動画編集ではWindowsパソコンをメインに使っていますが、Macで動画編集をしている方は依然多いですよね。
過去にMacBookProを使っていたことがありましたが、MacBookProにはHDMI端子がないのでデスクトップ用のパソコンモニターに接続できずデュアルモニターが実現できませんでした。
ところが遂にBenQからThunderbolt 3で接続できる4K液晶モニターが発売されました。
このたびBenQさんから商品をご提供いただく機会があり試用してみましたので、ここでBenQ PD3220Uを使ってみた感想をお伝えします。
結論から先に言うとスゴイ液晶モニターです。
私が今まで使ってみた中で最高峰の画質と作業性を併せ持っています。
Retinaディスプレイが大好き・画質重視のMacBookProユーザーで、Thunderbolt 3で接続できる外付け液晶ディスプレイを探している方には最高の選択になるでしょう。
でもメリットばかりではありません。
買って後悔しないよう、メリット・デメリットも両方詳しく解説するので、BenQ PD3220Uの購入を検討している方はぜひ読んで参考にしてみて下さい。
BenQ PD3220Uってどんな液晶モニターなの?
サイズと解像度 | 31.5インチ 4K(UHD)液晶モニター(3840×2160px) |
用途と主なスペック | 動画編集・アニメ制作などクリエイター向けのプロモデル 10bitカラー対応・HDR対応 IPS方式・ノングレアパネル |
カラーカバー率 | Rec.709・sRGB100%カバー Display P3/DCI-P3 95%カバー |
視野角 | 178°/178° |
アイケア系機能 | フリッカーフリー対応・ブルーライト軽減対応 |
私はこれまで液晶モニターを5台・Macを合わせると7台のモニターを使ってきました。
動画編集用の液晶モニターを購入する前に、私が重視しているモニタースペックのチェックするべき大事な項目は上の表の5項目と考えています。
おススメ:動画編集用の4Kモニター選びに重要な4つのポイント+αを解説
動画でも解説しましたので合わせて視聴してみてください。
BenQの液晶モニター PD3220Uはデザイナーモニターという名前を冠している通り、動画クリエイター用の液晶モニターとして十分な性能を持っていると考えられます。
映像制作用のモニターではEIZOがあまりにも有名ですが、BenQもクリエイター向けのモニターをガンガン開発しているので全然負けていません。
写真家・映像クリエイターのイベントである CP+(シーピープラス)にもここ最近BenQは毎年ブースを出しております。
BenQの製品を何台か使ってみた印象も含めて、液晶モニターのメーカーではEIZOに負けない高い信頼性があると私は考えています。
BENQ PD3220Uを使ってみた感想
BENQ PD3220Uを使ってみた感想はザックリと以下の通り。
Check!
☑Thunderbolt3対応。標準装備のケーブルですぐにMacと繋げられる
☑専用のコントローラーが便利すぎる
☑色の再現性はプロ向けの本格派
☑でも値段はちょっと高いぞ
BENQ PD3220Uの外観とデザイン
PD3220Uはスタイリッシュなデザインをしています。
見た目の印象としては、すっきりとしたシンプルなものですが、ベゼルの狭さは驚異的で私が今も使用しているモニターの中では最も狭い。
スタンドは広めですが、フラットで作業が終わったあとはキーボードをのせておくこともできます。
背面のインターフェイスについては、ケーブルカバーがついているので後ろからみても配線がごちゃごちゃとしません。
他にも以下のような特徴を持っています。
Check!
☑上下の高さ変更ができる
☑画面が縦位置にできる
☑下は-5度、上は20度まで設定可能
☑付属のコントローラーで様々な操作ができる
☑工具なしで組み立て可能
などのような特徴を持っています。
組み立てから可動部の確認を動画で紹介しましたよ。
モニターの位置を上下するのは最低7㎝、最大22㎝の間で調整可能ですね。
少し力を加えるとスムーズに動きます。
左右は30°まで稼働できますよ。
本体の操作については付属のコントローラーで行えます。
本体の背面にも直接操作をするためのボタンがついています。
指の感覚だけで操作できるように、ジョイスティックタイプになっているので、操作もしやすいです。
ですが付属のコントローラーから操作をする方がダンゼン使いやすいので、購入後は背面ボタンは一度も使わない人もいると思います。
大画面モニター BenQ PD3220Uで動画編集するときのメリット
PD3220Uは31.5インチの大画面です。
この大画面を使って動画を編集することには、メリットが多くあります。
そもそも解像度も高いので、フルスクリーン表示にすることで、かなりの作業域を確保できるのが特徴ですね。
では次に特徴を紹介してみます。
Check!
☑タイムラインが幅広く表示可能
☑1台のディスプレイで2つの画面モード表示可能
といったメリットがあります。
動画編集をするときに、重視したいのがタイムラインの表示です。
狭い画面で動画編集ソフトを使っているとタイムライン表示が小さくて、スクロールや拡大・縮小を繰り返さなければなりません。
これが面倒臭く感じてしまう人も多いのですが、BenQ PD3220Uでは幅広く表示ができるので便利です。
タイムライン全体の様子を常に確認しつつ編集を進めていけます。
またPD3220Uのすごいところは1つの画面で異なる画像モードを使える点です。
sRGBとブルーライトカットモードを同時に使うこともできるのです。
そうすれば画面の半分でカラーラインがわかりますよ。
モニターのメニュー画面で切り替える必要もありません。
ネット検索はブルーライトカットで目を労わりながら、動画や画像編集はsRGBやRec.709などのカラー基準に準拠した表示で確認できます。
これはデザイン系の仕事をしている人には、とても使い勝手がいい機能だといえるでしょう。
BENQ PD3220Uの便利なOSDコントローラー
PD3220Uの本体操作には背面にあるスイッチと、付属のコントローラーがあります。
このOSDコントローラーがとても便利なんですよ。
Check!
☑コントローラーキーが3つ
☑好みの機能をショートカット登録できる
☑ダイヤルで輝度やコントラスト、音量の調整もOK
と至れり尽くせりの機能がついています。
直感的な操作ができるようになっているので、特に迷うこともないでしょう。
作業中でも簡単にディスプレイの設定を変更できます。
接続ポートが充実したBenQ PD3220U
PD3220Uのインターフェイスには、様々な規格の入力系統がたくさん用意されています。
入力端子
★HDMI 2.0×2
★ディスプレイポート 1.4×1
★Thunderbolt 3×2
★USB Type-C×1
★USB 3.1×4
があります。
さらに付属ケーブルも多彩ですよ。
付属ケーブル
☑電源ケーブル
☑HDMIケーブル
☑miniDP to DPケーブル
☑USB3.0ケーブル
☑USB Type-Cケーブル
となります。
デイジーチェーン機能を使えば、Thuderbolt3対応のType-CケーブルでMacbookPro⇒モニター⇒モニターと直列に接続できます。
(DisplayPortケーブルではデイジーチェーン接続できません)
BENQ PD3220Uのちょっと残念な点
PD3220Uは非常に優れたディスプレイで、プロ仕様というだけあって抜群の性能を持っていますが、欠点もあります。
値段が高い
一般的に30インチ程度のディスプレイの相場からすると、PD3220Uの価格は1.5倍から3倍程度になっています。
ただ単に液晶画面を4Kにしたいという方には完全にオーバースペックです。
ハードウェアキャリブレーション機能はなし
もう一つ残念な点はハードウェアキャリブレーション機能がないことです。
なので経年劣化での不具合についてはBenQサポートに頼るしかありません。
ただし保証期間が3年と長く、センドバックサポートでは同等性能の代替え機を1回5,000円で利用できるので、業務用途でもそんなに不安はありません。
BENQ PD3220Uがプロ仕様である理由
PD3220Uの色域カバー率はどう?
PD3220UはBenQが動画編集を想定した、プロ仕様の4K対応ディスプレイとして販売しています。
液晶モニターでは何がプロ仕様か?
というと、様々な色の規格に準拠した色再現ができるかどうかです。
映像制作ではテレビ放送の基準であるBT.709(Rec.709)と映画の基準であるDCI-P3の再現性(カバー率)が重要視されます。
BenQ PD3220Uは色域の世界基準に対応するためにAQCOLORというBenQの最新技術を採用しています。
AQCOLORシリーズの製品は、製造時に工場にて1台1台のモニターについてキャリブレーションしているのが特徴です。
Rec.709とsRGBは100%カバー、Display P3/DCI-P3については95%カバーしており、10bitカラー出力にも対応しています。
私は映画の製作に携わってはいないので、DCI-P3のカバー率はあんまり問題にならないのですが(笑)
カバー率を明記してくれている時点で、信頼性が高いモデルであることが伺えますね。
4K HDR対応である点
BenQ PD3220Uの解像度は4K(フルHDの4倍の解像度)です。
アスペクト比は16対9で、テレビと同じです。
この4Kについては良く聞く言葉ですが、もう1つのHDRとはいったいどういうものかご存知でしょうか。
HDRとはハイダイナミックレンジの略称です。
従来のものはSDR、スタンダードダイナミックレンジといいます。
一般的なSDRのディスプレイだとシャドウ部分が黒くつぶれてしまったり、ハイライト部分が白く飛んでしまいますが、HDRであれば明暗の階調が滑らかで自然な描写ができるようになるのが特徴です。
HDRは次世代の高画質技術ともいわれていて、YouTubeでもHDRで作成したコンテンツがアップされています。
ちなみに高画質には5つのポイントがあるとされています。
- 解像度
- ビット深度
- フレームレート
- 色域
- 輝度
このうちでHDRが関与しているのが輝度の部分です。
従来のフルHD規格ではSDRで十分に対応できていたのですが、4Kや8Kといった解像度がでてきた現在ではSDRでは不足しています。
安価な4Kモニターはよく調べるとHDRではなくSDRであることが多いです。
これから4Kモニターを買うならぜひHDRも対応しているモニターを選びたいところです。
Thunderbolt 3対応USB Type-Cで接続できるのがMacユーザーにとって嬉しいポイント
PD3220UではThunderbolt 3に対応しています。
Thunderbolt 3というのはUSBのType-Cと同型です。
USB Type-Cというのは端子の形状の1つで、Android携帯に使われているType-Bとは形状が異なります。
Type-Bが台形状のもので、Type-Cは角が丸い長方形です。
転送速度の速さを表しているのではなく、あくまでも端子形状の1つでしかありません。
Thunderbolt 3というのは、USB Type-Cと形状は同じで、Altモードを使って別の規格の信号を流す仕組みになります。
Thunderbolt 3は
- DisplayPort
- HDMI
- USB 3.1 Gen2
- Thunderbolt 3
でやり取りできるデータ(映像・音声)を網羅しています。
さらに85Wまでの電力供給も行えるようになっています。
デイジーチェーン接続でハブにできる
PD3220UにはThunderbolt 3対応のUSB Type-Cのポートが2つ用意されており、デイジーチェーン接続で最大2台の4K60P動画を同時に再生できます。
MacのPCを接続して、最大3台の画面に拡張できるということです。
もちろん4K60Pの映像を複数のモニターに出力するにはグラフィックカード性能もそこそこハイスペックでないとダメですよ。
いろいろな用途に使えるものなので、あると便利なのは間違いありません。
ちなみに本体にはThunderbolt 3対応のType-Cケーブルが1本付属しているのが嬉しいですね。
Macならパソコン切替機能が便利ですよ
PD3220UにはKVMスイッチ機能を搭載しています。
これはThuderbolt3で接続できるMacに限られますが、一つのモニターで2台のパソコンを同時に使えます。
マウスとキーボードをモニターのUSB端子に挿すことで、2台のPCでそれらを共通して使えます。
別の端子でモニターに接続して切り替えて表示するのは従来のモニターでも実現できましたが、PIP/PBPモードで1画面に2台のPCの画面を同時表示できるのは画期的ですね。
BENQ PD3220UのPantone/CALMAN認証って何?
PD3220Uは安定した色の再現性を保証するために、第三者機関の認証も受けています。
安心ポイント
☑CalMAN認証
☑PANTONEカラー認証
関連情報:「PD3220U」/「PD2720U」の2機種を新発売|@Press
CalMAN認証はディスプレイ・キャリブレーションの認証です。
キャリブレーションとは、ディスプレイやほかのデジタル機器との色差を補正して、どの装置でも同じ色が再現できるように調整することを言います。
CalMANはこのキャリブレーション用のソフトウェアを提供している会社で、そこから認証を受けているという意味ですね。
次にPANTONEカラー認証は、米国企業のPANTONEが指定する印刷業界などでは標準規格です。
日本国内だけではなくて、世界各国で幅広く使われている世界規格です。
PD3220Uが第三者機関のCalMAN認証とPANTONEカラー認証の両方から認定を受けていることは、デザイン担当者・クリエイターが安心してPD3220Uを購入出来る一つの理由です。
ちなみに日本の企業がこの2つの認定を取得すると、業界では話題になるほどの知名度の高さがあります。
BENQ PD3220Uはどんな人が買うべき?
PD3220Uはその性能の高さが分かると「むしろ安いぐらいではないか?」と思うぐらい、多機能な液晶モニターです。
PD3220Uは絶妙な価格設定です。
30インチの4K HDR対応モニターとなるとEIZOではCG319Xがあり、お値段は50万円以上となります。
ハードウェアキャリブレーションは出来ませんが、EIZOと比べるとかなりお値段は安く感じますね。
またThunderbolt 3対応でデイジーチェーン接続できるBenQ PD3220Uの利便性は、MacbookProを使うクリエイターにとって無視できないでしょう。
Windowsユーザーのクリエイターさんでも4K HDR対応で性能の良い液晶モニターを探している方にはぜひオススメです!