※2024年12月に更新しました。また本ページにはプロモーションが含まれています。
Ryzenとインテル Core i7
動画編集ならどっちがイイ?
2019年に発売したRyzen 第三世代シリーズがインテルCPUの性能を大きく超えたことが話題となりました。
その中でも2020年7月に発売のRyzen7 3800XTはライバルのインテル Core i9-10900Kに匹敵する性能で1万~1万4,000円程安い価格で発売しています。
動画編集時に重要なエンコード性能はCore-i9よりもRyzen 7-3800XTが上回るそうです。
動画編集用のパソコンでは、インテルCPUが採用されることが多いですが、第三世代のRyzen人気でクリエイター向けのPCにもRyzen搭載PCが増えている傾向があります。
そこでRyzen 7 3800XT搭載のクリエイター向けPC DAIV A7をレンタルして、動画編集に使ってみることにしましたよ。
DAIV A7を使ってみた感想を解説してみます!
DAIV A7
CPU:AMD Ryzen 7 3800XT⇒Ryzen 5 5600X
メモリ:16GB PC4-25600 ⇒32GB
グラフィックス:GeForce RTX 2060 SUPER ⇒ RTX 3060
ストレージ:NVMe M.2 SSD 512GB + HDD 2TB
219,780円(税込)
目次
DAIV A7の感想⇒もうインテルCPUにこだわらなくても良いかも
結論から先に言うと、DAIV A7はPremiere Proで安定して編集できるパソコンです。
内蔵GPUは非搭載ながら、グラフィックカードにGeForce RTX 2060 SUPERがあるので問題なし。
価格の割に満足度はかなり高いパソコンです。
DAIV A7のメリット
DAIV A7はマウスコンピューターが販売する、クリエイター向けのパソコンシリーズです。
マウスコンピューターのクリエイター向けPCはこれまでインテルCPUがメインでした。
だけど自作パソコンユーザー内のRyzen 7 3700X人気を見て、マウスコンピューターは2019年秋ぐらいからRyzenシリーズ搭載PCのボリュームを増やしてきています。
今回マウスコンピューターから借りて使ってみたDAIV A7は第三世代Ryzen搭載PCのミドルクラスのスペックになっています。
高解像度の動画編集や画像・イラストソフトの多重レイヤー処理などにも、対応しているのが特徴です。
主なスペックは以下の通りです。
Ryzen 7-3800XT搭載 DAIV A7の特長
✅搭載CPUはRyzen7 3800XT
✅GPUにはGeForce RTX 2060 SUPER
✅ストレージにM.2 SSD 容量多めの512GB + HDD 2TB
✅基本構成のままで動画編集に十分な性能
搭載されているCPUはもちろん話題のRyzen7-3800XTです。
高性能な割には安価であるのがポイントで、GPUにはNVIDIA GeForce RTX 2060 SUPERが採用されているのも特長です。
只今RTX 2070 SUPERに無償アップグレード中です。
実際にPremiereProで作業してみると、動作に安定感があり、プレビューもなめらかでサクサクと動いてストレスがありません。
デュアルチャネル仕様のメモリスロットに25,600MB/sの帯域幅となるメモリを合計16GB搭載しています。
第三世代Ryzen 7はCPU内の内部バス(Infinity Fabric)とメモリの速度がリンクしており、性能を十分に発揮するために帯域幅の広いメモリを使用する方が良いと言われています。
関連情報:第3世代Ryzenの性能を一番引き出せるのはDDR4-3733?
私はこれについて検証したことはないのですが、マウスコンピューター DAIVではRyzen搭載パソコンに積極的に帯域幅の広いメモリを搭載していますね。
DAIV A7はデュアルチャネルでメモリが装備され、軽めのソフトウェアの作業と並行しながら、重い処理となる動画編集をしても問題なく動きます。
そしてメインストレージの容量は512GB。標準的な容量なので、4K動画編集がメインの方は容量を1TBぐらいまでアップグレードするのがおススメです。
また、前モデルのDAIV A7には備わっていなかった2ndストレージ(HDD)が2TBで追加されています。
データ保存用とシステムドライブを分けたい動画クリエイター向けと言えます。
メインストレージにM.2 SSDを搭載してこの構成、この価格なら、コストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
DAIV A7のデメリット
では逆にDAIV A7のデメリットも指摘してみましょう。
主には2つのデメリットが考えられます。
DAIV A7のデメリット
✅ケースが大きいので机の上には置けない
✅SDカードのスロットが標準では付いていない
クリエイター向けのパソコンで性能の良いものだけに、ケースの大きさはある程度のサイズとなってしまっています。
机の上に置くにはサイズが大きいのがデメリットかもしれません。
だけど、動画編集用のメインPCとして考えると、DAIVのケースサイズはハードディスクを増設するには十分な余裕があるので、むしろサイズの大きさはメリットと言えなくもありません。
3.5型の拡張ストレージベイがなんと5つも空いています。
もう一点のデメリットは、SDカードのスロットやDVDドライブが標準搭載していない点です。
どちらも購入時に有料オプションとして取り付けることが可能です。
これから使用するカードリーダーなら高速タイプのUHS-II対応SDカード対応の製品を取り付けるのがおススメです。
マウスコンピューターDAIVのオプションで取り付けられるカードリーダーはUHS-II対応でお値段は相場通りです。
4K以上の高画質な動画素材を取り扱う場合はメインのドライブに1TBは欲しいところです。
DAIV A7は有料オプションで読み出し速度がさらに速くて大容量(1TB)のM.2 SSDに変更することも可能です。
Ryzen7 3800XTのCPU性能
DAIV A7に搭載されているRyzen7 3800XTはコストパフォーマンスの高さから、とても人気があるCPUです。
競合とされているのは、インテル core i9-10900Kです。
まず、Ryzen7 3800XTが2019年に引き続いて話題となっている理由はCPUのベンチマーク結果です。
Ryzen7 3800XTは競合製品である インテル Core i7-10700Kどころか、core i7の上位モデルCore i9-10900Kも数値の上で凌いでいます。
しかも、これまでRyzenシリーズはシングルスレッド性能ではインテルCPUにまったく及ばなかったのですが、第三世代RyzenからインテルCPUに迫る性能です。
Check!
✅マルチスレッド性能では、ワンランク上のcore i9に勝る
✅シングルスレッド性能は、ほぼ同程度の性能
✅エンコード性能も、core i9を上回る
ベンチマークを比較すると、Ryze7-3800XTの圧倒的な強さがわかります。
同価格のcore i7-10700Kにいたっては、ほぼ相手になっていません。
TDP数値(消費電力の目安となる数値)にしても改善が見られていて、Ryzen7-3800XTが105Wであるのに対してCore i7-10700KとCore i9-10900Kはともに125Wです。
Ryzen7-3800XTは省電力で高性能、コストパフォーマンスの面でもインテルを凌いでいます。
これは人気にならないわけがありません。
関連情報:DAIV Z7-MVPRで4K動画編集を検証 カット編集なら問題なし
DAIV A7の動画編集性能をチェック
Ryzen7-3800XTを搭載したクリエイター用パソコン DAIV A7の性能はザックリと以下のようになります。
DAIV A7の仕様
CPU:Ryzen 7-3800XT | 8コア/ 16スレッド/ 3.9GHz/ ブースト時最大 4.7GHz/ 32MB L3キャッシュ |
グラフィックス:GeForce RTX 2060 SUPER | ビデオメモリ 8GB |
メモリ:16GB | 8GB×2/デュアルチャネル PC4-25600 DDR4 |
ストレージ:M.2 SSD NVMe 512GB | PCI Express Gen4 ×M.2シールド付属 |
DAIV A7のCPU性能について
従来のRyzenシリーズとの違いは、7nmプロセスを用いられている点にあります。
この改善によって、エンコード性能が大幅に改善されました。
関連情報:AMDアーキテクチャの変化の原因となった7nmプロセスの特性|PC Watch
またクロックあたりの性能が約15%アップしています。
特に大きい点としては、エンコード性能の改善でしょうか。
従来のRyzenはインテルCPUに比べてエンコードには時間がかかるという印象を持つ人も多かったですが、一度に処理できるデータ量が2倍になったことで、かなり改善されているようです。
これは書き出し速度のテスト結果が期待できそう!
DAIV A7のグラフィックス性能について
Ryzen 3800XTには、GPUの機能がありませんので、グラフィックカードを別途搭載する必要があります。
DAIV A7にはグラフィックカードにNVIDIAのGeForce RTX 2060 SUPERが搭載されています。
特長としては次のようなものがあります。
GeForce RTX 2060 SUPERの特長
✅CUDAコア数は2176基。RTコア・Tensorコアも搭載
✅ビデオメモリは8GB
✅TDP175Wと高め
RTコア・Tensorコアは従来のGeForce GTXシリーズよりも、きめ細やかな映像を描写するための機能を備えています。
性能はRTX 2070 SUPERよりも1ランク下で。AMD製グラフィックカードのRX 5700 XTとほぼ同等の性能です。
GeForceシリーズはこれまでゲーミング用途というイメージが強かったのですが、RTXシリーズにおいてはクリエイティブ系の機能にも強みを発揮するようになったので、DAIVシリーズに搭載されている理由も頷けます。
DAIV A7のストレージ性能について
DAIV A7にはM.2 SSDが搭載されています。
M.2 SSD NVMeとはマザーボードに装着するタイプのものです。
実はDAIV A7に使用されているマザーボード(チップセット)X570は、AMD社最先端の性能となっています。
X570はNVMeのGen4にも対応できるようになっています。(搭載しているM.2 SSDはGen3のNVMeになっています。)
なのでデータのやり取りでストレスを抱えることはなさそうですね。
DAIV A7はGen4のNVMe SSDではありませんが、非常に高性能なストレージが採用されています。
DAIV A7のM.2 SSDの特長
✅PCIe 3.0のM.2 NVMe SSD
✅ピーク3GB/s
動画編集者向けにも十分な性能を備えています。
データの取り込みがどのぐらい早いか検証するため、試しに39.9GBのプロジェクトを含む動画素材データを転送してみます。
移動元のメディアも転送速度に影響するので、念のため紹介するとCrucialのSATA SSDです。
Read560MB/s、Write510MB/sの低価格なSSDです。
USB3.0接続でポータブルSSDにできるATOMOS ドッキングステーションからデータ移動します。
13.2GBのデータを1分53秒で移動できました。まずまずの速さです。
事務用途でここまでの速度は、ほぼ必要ナシ。動画編集だからこそ必要な性能です。
容量も512GB。中ぐらいの容量ですね。
4K動画を編集する可能性のある動画編集者なら、ストレージの速さ+容量も重要なポイントになってきます。
DAIV A7の本体外観・デザインについて
DAIV A7の本体外観はミドルケースのクラスになります。
少し大きめの作りとなっていて、デスクの上に置くのは難しいです。
他にも次のような特徴があります。
DAIV A7の本体外観・デザイン
✅通気口が多く、冷却性能が高め
✅流行りの内部が見えるケースではない
✅キャスターがついている
PCの前面に電源スイッチ、USB3.1端子が2本、マイクとヘッドホン端子があります。
動画編集では長時間パソコンを使用することになるので、DAIVは通気口が多めになっています。
ゲーミングPCでは側面が透明になっていて、中身が見える仕様になっているケースが増えていますが、DAIVは冷却性能重視の仕様です。
DAIVのケースは背面にキャスターが付いており、移動しやすい仕組みになっています。
DAIV A7の接続端子について
インターフェイス
✅USB3.1ポートが背面に2ポート
✅USB3.0ポートは前面に2、背面に6ポート
またUSBポートが豊富にあるのも嬉しいところでしょう。
Radeon RX5700のディスプレイ用端子はDisplayPort1.4が3つとHDMI2.0が1つです。
またThunderbolt3対応のUSB Type-C端子が2つあります。
Thunderbolt3はUSB3.0の8倍となる転送速度(40Gbps)で映像・音声データをやり取りできます。
またデイジーチェーン接続に対応しているので、複数のモニターへ直列に接続して映像を出力できるようになっています。
CPUファンはAMDの標準CPUクーラーが設置されています。
メモリスロットは4つで最大64GBまでメモリ増設できます。
DAIV A7のパーツカスタマイズについて
DAIV A7はメモリやハードディスクのアップグレードはもちろん、CPU(Ryzen 9)やグラフィックボード(GeForce RTX2060 SUPER)もアップグレード可能です。
アップグレードするなら標準メモリ量の16GBから32GB、3TBのHDDの追加がオススメです。
4K動画編集を考えている方でも3TBの2ndストレージがあれば十分でしょう。
また、同時購入でEIZOのカラーマネージメントディスプレイが割安で買えるのも魅力です。
動画編集用の4Kモニター選びに重要な4つのポイント+αを解説
DAIV A7の動画編集性能を検証
DAIV A7で動画編集を検証します。4K動画編集がどのぐらい快適か見ていきますね。
使用したカメラはLUMIX G9 Proで撮影した4K60P 150Mbpsの動画素材です。
Premiere Pro 4Kカット編集
まずは一般的な動画編集で行う1トラックのカット編集とテロップ・BGM入れです。
CPUの使用率は30~35%前後を推移し、GPUの使用率は17%前後となります。
Premiere Proはバージョンアップのたびに、ビデオカードの能力を発揮できるようになってきているようですね。
4K60Pのカット編集は問題なさそうです。
4K60Pの編集2カメのマルチカム編集を行ってみました。
CPU使用率は64%前後を推移、GPUは30%前後を推移します。
1トラック編集では問題なかったのが、2カメ編集になるとコマ落ちがかなり多くなり、動画編集は快適とは言えない状態に。
4K60Pのマルチカム編集をするにはちょっとスペック不足のようです。プロキシ編集で対応することになりそうです。
DaVinci Resolve 16による4Kのカラーグレーディング
DAIV A7で4K60Pのシンプルなカラーグレーディングを実施してみました。
V-LogLで撮った素材にDaVinci Resolveに備わっているPanasonic用のLUTをあてて、シリアルノードにグレーディングを行います。
CPUの使用率は45%前後となり、GPU使用率は24%前後を推移します。カクツキはありません。
Premiere Proによる書き出しテスト
編集したPremiereProのプロジェクトをプレビューしてみます。
このプロジェクトはYouTubeにアップしている「失敗しない動画編集向け【ノートパソコン】の選び方」のプロジェクトです。
使用しているクリップは4K解像度の素材が8割ぐらいで、フルテロップ。
このプロジェクトをフルHDで書き出ししてみます。
書き出し設定はフルHD30P VBR1パス(可変ビットレート) ターゲットビットレート12Mbpsでハードウェアエンコーディングとソフトウェアエンコーディングを両方試します。
ちなみにDAIV A7は購入時のままだとハードウェアエンコーディングできませんでした。
NVIDIAの公式サイトで最新のStudioドライバーをインストールしたら実施できるようになりますよ。
13分03秒の動画を3分33秒で書き出しできましたよ。
DAIV A7 エンコーディング時間 13分の動画
Premiere Pro ハードウェアエンコーディング | 3分33秒 |
Premiere Pro ソフトウェアエンコーディング | 5分08秒 |
自分のPCの1/6ぐらいの時間で書き出しできました。
エンコードにおいてAMD Ryzenはインテル Coreシリーズよりも劣るという印象を持っていましたが、バージョンアップのたびに改善されていて、もう全然問題にならないレベル。
いいですねぇ。DAIV A7♪
DAIV A7レビューのまとめ
DAIV A7使ってみて改めてRyzen7の凄さを感じました。
Ryzenはゲーミング用途で動画編集では微妙って言うのはもう時代遅れの考えかもしれませんね。
今回検証した編集ソフトはPremiere ProとDaVinci Resolveなので、他のソフトでどう動くか気になるところですが。
最近はPremiere Proがメインの編集ソフトになっている私としては、高いお金出してCore i9を選ばなくてもRyzen 7でいい感じです。
20万円を下回るPCで4Kもサクサク作業できるようになれば、撮影機材にもお金をかけられます。
コスパ最高。DAIV A7オススメです。
DAIV A7
CPU:AMD Ryzen 7 3800XT⇒Ryzen 5 5600X
メモリ:16GB PC4-25600 ⇒32GB
グラフィックス:GeForce RTX 2060 SUPER ⇒ RTX 3060
ストレージ:NVMe M.2 SSD 512GB + HDD 2TB
219,780円(税込)