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パソコンレビュー

動画編集パソコンでM.2 SSDを搭載するべきか?検証してみた!

※2024年9月に更新しました。また本ページにはプロモーションが含まれています。

動画編集用パソコンを新調する時に「どんなストレージを選ぶか?」が意外と重要な項目になってきています。

画像処理にはCPUやグラフィックス性能が最も重要と考えられていますが、クリエイターにとってパソコンを使うときに速さを一番体感できるのはデータを転送・移動するときではないでしょうか。

近年特にスマホやミラーレス一眼カメラの動画撮影性能がグングン向上しており、私のような零細クリエイターですら6000px以上の画像ファイルや4K画質の動画ファイルを当たり前のように扱わなければならなくなってきました。

日常業務で撮影した素材をパソコンやハードディスクに移動させる作業があり、これが結構馬鹿にならないぐらいの時間を費やしています。

そんな悩みを解決してくれるのがSSDをはじめとする高速ストレージです。

2017年のBTOショップ動向を見ていると、クリエイター専用のノート型パソコンはかなり高い割合でM.2 SSDが搭載されています。

「お!このパソコンちょっと安い!」と思って仕様をよく見てみると、ストレージが一つだけ、SSD(従来のSATAIII SSD)またはHDDになっています。

ここではM.2 SSDと従来のSSDにどのぐらいの性能差があるのか?そして動画編集を扱うクリエイターはどのSSDを選ぶべきなのか? M.2 SSD非搭載のPCを使って検証してみます。


この動画で動画編集向けパソコンの失敗しない選び方を解説したので、ぜひ視聴してみて下さい。

M.2 SSDとSATAIII SSDの性能差はどのぐらいあるの?

前回のエントリー「GTX1060搭載 映像クリエイター中級者向けおススメのパソコンはこれだ!」で検証したマウスコンピューターのクリエイターパソコン「DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8K」にはメインストレージ(C:ドライブ)にM.2 SSDを搭載しておりました。

M.2 SSD Intel 600P

DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8K搭載のM.2 SSD Intel 600P

DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8Kは動画編集用のパソコンとしては決して高くはない製品ですが、さらに節約したい方にはM.2 SSDを諦めて、従来のSATAIII SSDで妥協するという方法があります。

後々M.2 SSDを追加するという方法もありますからね。

M.2 SSDとSATAIII SSDにどのぐらいの性能差があるのか非常に気になるところでしょう。

今回、マウスコンピューターさんからDAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8Kと全く同じCPU・グラフィックボードを搭載しており、SSDの種類が異なる機種 DAIV-DGZ520M4-SH2をお借りしました。

DAIV-DGZ520M4-SH2で実際に動画ファイルの転送や動画編集を行い、作業性の違いやM.2 SSDを選ぶべきかどうかを検討してみます。

今回検証するパソコン DAIV-DGZ520M4-SH2

icon
インテル® Core™ i7-8700 プロセッサー(6コア/ 3.20GHz/ TB時最大4.60GHz/ 12MB スマートキャッシュ/ HT対応)
グラフィックス:GeForce GTX 1060 (3GB)

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M.2 SSDと従来のSATA SSDは性能の違いはもちろん、形状も大きく異なっています。

上の写真は今回お借りしたDAIV-DGZ520M4-SH2のケースを開け、SATA SSDを取り出した時の写真です。

DAIV-DGZ520M4-SH2に搭載されているSSDはKingston SSD 240GB 2.5インチ SATA3でTLC NAND型SSDです。

Kingston SSD 240GB 2.5インチ SATA3 TLC NAND

BTOパソコンは内蔵HDDをカートリッジ収納できるようになっていて、後乗せが簡単です。
一方、M.2 SSDはSATAIII SSDとは全く違う形状になっており、装着箇所も異なります。

上の写真がDAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8KのM.2 SSDを搭載している箇所です。
M.2 SSDはマザーボードに直接接続しているように見えますよね。

M.2 SSDはかなり小さな部品で、CPUクーラーのすぐそばにちょこんと装着されているのが特徴的です。

M.2 SSDはSATAIII SSDよりも処理速度が速いというメリットがありますが、高温になりやすく温度上昇の程度によってはSATAIIIよりもパフォーマンスが落ちるというデメリットも持っています。

そのためヒートシンク(放熱・吸熱ができる部品)を装備したM.2 SSDも販売されています。

参考:今買いたいNVMe SSDはこれだ!速度と動作温度で見る超高速SSD選び|インプレス

CPUクーラーのそばに搭載することによって、M.2 SSDを冷却する効果もあるのかもしれません。

M.2 SSDはSATAIII SSDの3~6倍の性能差があるってウワサは本当なの?

M.2 SSDはSATA SSDの3~5倍の速度で転送ができると言われていますが本当でしょうか?

ここではSSDの読み書き性能を実際に調査・比較してみます。

まずはSATAIII SSDを搭載したDAIV-DGZ520M4-SH2から計測してみましょう。
DAIV-DGZ520M4-SH2は第8世代Core i7プロセッサーi7-8700を搭載したマウスコンピューターのクリエイター専用パソコンです。

起動してCrystalDiskMarkをインストールし、SSDの読み書き速度を計測してみた結果が上の表になります。

一方、M.2 SSDを搭載したDAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8KをCrystalDiskMarkで測定した結果が以下になります。

M.2 SSDの測定した結果

M.2 SSDの読み込み速度はSATAIII SSDのおよそ3倍の数値を叩き出しました。
書き出しも3倍!とはいきませんでしたが、SATAIII SSDよりも良い結果が出ています。

M.2 SSDは製品によっても性能差があるようで、2017年9月時点ではSamsung SSD 960 PRO M.2が最速のM.2 SSDになるようですね。

ただ、SSDは日進月歩で次々に新製品が登場し、競争も激しくて最上位製品の入れ替わりはかなり頻繁に起こります。

例えばマウスコンピューターで製品を選ぶ場合、公式通販サイトではM.2 SSDをいくつかの種類から選べるようになっています。

中にはSamsung SSD 960 PRO M.2に並ぶ性能のSamsung SM961も用意されており、アップグレードできるようにもなっているようです。

SSDの性能にこだわるのなら、どんなSSDが搭載されているのか? アップグレードできるのか?購入時に検討するべきでしょう。

臨機応変に対応してもらえるBTOパソコンショップを選ぶのは意外と重要です。

今回のデータを見ると動画編集パソコンにはM.2 SSDを選んでおいて間違いなさそうですが、お値段が高いので少しでも節約したい方はSATA SSDで我慢しても良いかもしれません。

DAIV-DGZ520M4-SH2はM.2 SSD非搭載ですが、マザーボードにはM.2 SSDを搭載できるようになっているので別途購入して自分で取り付けるのも良いでしょう。

取り付けに自信がない場合はDAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8Kがおススメです。

2第8世代Core i7+M.2 SSD搭載モデル「DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8K」

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インテルR Core? i7-8700 プロセッサー(6コア/ 3.20GHz/ TB時最大4.60GHz/ 12MB スマートキャッシュ/ HT対応)
グラフィックス:GeForce GTX 1060 (3GB)

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では実際に動画ファイルを転送してどのぐらいの時間がかかるか計測してみます。

動画ファイルの転送速度比較!【M.2 SSD】VS【SATAIII SSD】

では実際に膨大な動画ファイルを転送する場合のM.2 SSDとSATAIII SSDそれぞれの経過時間を計測してみます。

動画ファイルはUSBメモリーにある56個の4K動画クリップで合計5.6GBです。

デスクトップにフォルダを作成してこのファイルを移動してみます。

SATAIII SSDに5.6GBのデータを書き込むのはどれぐらいかかる?

SATAIII SSD搭載のPC「DAIV-DGZ520M4-SH2」で転送を行います。

ストップウオッチで計測すると転送開始から終了まで2分19秒かかりました。

M.2 SSDに5.6GBのデータを書き込むのはどれぐらいかかる?

では次にM.2 SSD搭載PCの「DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8K」で転送を行います。

こちらは1分16秒で終わりましたよ。

およそですが2倍の速度で転送をすることが出来ました。

やはりM.2 SSDの転送速度は速いですねー。

ではSSDの違いが動画編集の作業効率にどう影響するのかさらに詳しく見てみましょう。

DAIV-DGZ520M4-SH2+PremiereProで動画編集してみる

M.2 SSD搭載のDAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8Kでは過去のエントリーで以下のようなCPU・GPU使用率となりました。

参考:GTX1060搭載 映像クリエイター中級者向けおススメのパソコンはこれだ!

通常再生 CPU使用率:14~20%
GPU使用率:4%
トランジション適用 CPU使用率:14~20%
GPU使用率:6~10%
カラーコレクション適用 CPU使用率:20~25%
GPU使用率:50%前後
書き出し(4K→4K) CPU使用率:100%
GPU使用率:0%
書き出し(4K→フルHD) CPU使用率:100%
GPU使用率:0~40%

通常再生

それでは動画編集時の作業でSATAIII SSDのパソコンはM.2 SSDのパソコンと比べてCPU・GPU使用率が変化するのか確認してみます。

DaVinci Resolve14

クリックで拡大します

通常再生時は全く変わりありません。

トランジション適用

DaVinci Resolve14

クリックで拡大します

トランジション適用時はGPUの使用率が少し高くなりますが、プレビューは安定しています。

カラーコレクション適用

DaVinci Resolve14

クリックで拡大します

カラーコレクション適用時はM.2 SSD搭載PCと同じようにGPU使用率がぐっと上昇しますが、プレビューには影響ありません。

DAIV-DGZ520M4-SH2にはPremiereProと相性の良いNVIDIA Geforce GTX1060を搭載しています。

NVIDIAのグラフィックカードの中ではミドルクラスの性能となりますが、その威力は映像編集でも十分発揮します。

複雑な編集やカラーコレクションをするならGTX1060以上をおススメします。

4K書き出し

4K編集したプロジェクトから4K動画に書き出します。

DaVinci Resolve14

クリックで拡大します

CPU使用率は100%、GPU使用率は0%になっています。これもM.2 SSD搭載PCと変わりません。

書き出し時間を計測したところ、2分18秒で4K動画を書き出しできました。ほぼ同じですね。

フルHD書き出し

最後に4KのプロジェクトからフルHD(ダウンコンバート)に書き出しをしてみます。

DaVinci Resolve14

クリックで拡大します

これもCPU使用率は100%となり、GPU使用率は時折70%を超える数値となりました。M.2SSD搭載PCと同様です。

ダウンコンバートはGPUに負荷をかけるのでしょうかね~?
いずれにせよ書き出し時、CPUはフル稼働するので他のPC作業はしないほうが良いでしょう。

書き出し時間は1分13秒となりました。

結果はストレージがM.2 SSDとSATAIII SSDのどちらになっても動画編集の作業効率・待機時間にはほとんど影響しないことがわかりました。

大きく影響が出るのはデータの転送時間ということになります。

動画編集パソコンでM.2 SSDを搭載するべきか?検証してみた! まとめ

今回、SATAIII SSD搭載の「DAIV-DGZ520M4-SH2」とM.2 SSD搭載の「DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8K」で動画ファイルの書き込み(転送)・PremiereProによる動画編集を行いました。

両モデルとも最新(2018年2月時点)のCore i7第8世代CPUプロセッサー、グラフィックカードはNVIDIA Geforce GTX1060を搭載し、両者の違いは前者がSATAIII SSDとメモリ16GB(8GB2枚挿し)、後者はM.2 SSDとメモリが32GB(16GB2枚挿し)という点でした。

今回の検証では価格が高いDAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8Kのほうが転送速度の点において優れていると言えますが、その差はそれほど大きなものとは思えませんでした。

例えば、毎日ガンガン動画編集をするクリエイターにとってはファイル転送や書き出しの待機時間は結構ストレスがかかるので、PCの性能を上げて解消したいと思うかもしれません。

しかし週に1本以下、あるいはたまに制作する頻度であれば、今無理してM.2 SSD搭載モデルを買わなくても後々M.2 SSDだけ購入して自分で追加するという方法もありでしょう。

Core i7-8700は第7世代(7000番台)からコア数も増加しており、かなり性能アップしております。

ミドルクラスのグラフィックカードを搭載することで4K動画もそこそこ対応できるようになり、誰でも最高画質の動画を作ることができるようになったといっても過言ではありません。

浮いたお金でカメラやレンズに投資するも良し。動画ソフトに投資するも良し。チャンネーに散財するもよし。さっさとマネタイズして機材代を回収しちゃいましょう!

合わせて読みたい記事→GTX1060搭載 映像クリエイター中級者向けおススメのパソコンはこれだ!

今回比較した2台のパソコン

1第8世代Core i7+SATAIII SSD搭載モデル

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インテル® Core™ i7-8700 プロセッサー(6コア/ 3.20GHz/ TB時最大4.60GHz/ 12MB スマートキャッシュ/ HT対応)
グラフィックス:GeForce GTX 1060 (3GB)

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2第8世代Core i7+M.2 SSD搭載モデル

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インテル® Core™ i7-8700 プロセッサー(6コア/ 3.20GHz/ TB時最大4.60GHz/ 12MB スマートキャッシュ/ HT対応)
グラフィックス:GeForce GTX 1060 (3GB)

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