※2024年12月に更新しました。また本ページにはプロモーションが含まれています。
最近はWEB制作会社から動画制作を依頼されることも多くなってきましたが、自社で動画制作にチャレンジしようと考えるウェブ制作会社も増えています。
特にウェブサイトのメインビジュアルに携わっているデザイナーさんで動画に関心を持っておられる方はかなり多いでしょう。
2018年2月以降、YouTubeでは登録者数が1000人以下のチャンネルには広告が付かなくなるという規約の変更があってユーチューバー界隈が大騒ぎしていますが、WEB動画制作の需要にはそれほど大きな影響もなさそうです。
YouTubeの規約が厳しくなることで業界全体が健全化し、まっとうに活動している動画クリエイターにとってはむしろチャンスと言えるのではないでしょうか。
動画専門で仕事をしている人にとっては動画編集用パソコンを30~40万円ぐらいの予算で用意するのが当然とされていますが、WEBデザインがメインで、動画編集も時々こなしたいという方にはもうすこしライトな価格のパソコンでやり過ごしたいところです。
ここでは動画編集の仕事でもそこそこ使える中級者向けのクリエイター用パソコンとはどんな程度の性能を選べばよいのか?パソコンを選ぶときに注意したいポイントやおススメのパソコンを紹介します。
目次
この動画で動画編集向けパソコンの失敗しない選び方を解説したので、ぜひ視聴してみて下さい。
20万円前後で考える 動画制作もできるオールマイティなパソコンとは?
制作会社やクリエイター個人の予算はまちまちだとは思いますが、動画編集にも使えるクリエイター用のパソコンは最低でも15万円以上は必要でしょう。
一般的にパソコンは高額なものほど性能が良いので、上ばかり見てしまう傾向があり、プロの動画クリエイターでもついついオーバースペックのパソコンを用意しがちです。
SSDやCPUが年々低価格化しており、安くても十分性能の良いパソコンを手に入れることができるのに、むしろ長年動画に携わる人ほどパソコンに必要以上の予算をつぎ込んでムダ使いしがちです。
簡単な動画編集なら4K解像度でも20万円ぐらいのパソコンで実現可能になってきてることは意外と知られていません。
毎日動画制作に携わる方ならともかく、一週間に1回程度、3~5分程度の短い動画を作るぐらいなら20万円ほどで十分満足できるパソコンを手に入れることができますよ。
グラボ主体で考えるウェブ制作メインの動画クリエイターにはこれがおススメ!
動画編集メインのクリエイターは愛用している編集ソフトに合わせてパソコンを構成しますが、WEBデザイナーやその他のクリエイターはどうするべきでしょうか?
Photoshop・LightroomやIllustratorを使用する機会が多いクリエイターさんの場合、動画編集ソフトはAdobe PremiereProを選びたくなるのではないでしょうか。
そうなるとAdobe製品と相性の良いグラフィックボードを搭載したパソコンがオススメになります。
各パソコンショップで販売されているAdobe Creative Cloud推奨パソコンにはグラフィックボードにGeforce GTX1050~GTX1070が搭載されています。
GeforceシリーズはNVIDIAのグラフィックカード(ビデオカードとも呼びます)で、ゲーミングPCユーザーを中心に普及しているグラフィックカードです。
動画制作で頻繁に使用する特殊効果処理でも快適に動作し、グラフィックス系の業務で抜群の処理能力を持っています。
NVIDIA Geforceシリーズはシェア拡大に伴って低価格化しており、Quadroや他ブランドのグラフィックカードよりもコストパフォーマンスが高くなっています。
Adobe PremiereProの動作はグラフィックカードのCUDAコア数が大きく影響するので、同価格帯のグラフィックボードで比較すると圧倒的にCUDAコア数が大きいGeforceシリーズが有利と言えます。
15~20万円以内のパソコンを選ぶ場合、NVIDIA Geforce GTX1060~1070・1070Tiが主流となっています。
GTX●●●の数値が大きいほど性能と価格が上がるので予算に合わせて選ぶと良いですが、動画編集で映像の色をかなり変更するクリエイターさんはGTX1070以上を選ぶと良いでしょう。
カメラで撮った映像の色をほとんど変更しない、輝度やホワイトバランスを少し調整するぐらいならGTX1060でも十分です。
GTX1060にはビデオメモリが3GBと6GBの製品があります。価格は大きく変わらないので不安なら6GBモデルを使うと良いでしょう。
映像クリエイター中級者向けおススメのパソコンはこれだ!
GTX1060で自作パソコンを組んでも良いですが、面倒な方はパソコンショップのBTOパソコンがおススメです。
GTX1060搭載のクリエイターパソコンは品揃えも多いし、故障時の修理サポートも充実しているので安心です。
ちなみにマウスコンピューターでGTX1060搭載のおススメのクリエイター用デスクトップPCにDAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8Kがあります。
NVIDIA Geforce GTX1060(3GB)にIntel Core i7第8世代のi7-8700プロセッサーとメモリ32GB、ストレージにM.2 SSDを搭載した人気モデルです。
マウスコンピューターのクリエイターPC DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8K
グラフィックス:GeForce GTX 1060 (3GB)
DAIV-DGZ520シリーズはマウスコンピューターのクリエイター用パソコンDAIV(ダイブ)の第8世代インテルCoreプロセッサー搭載モデルです。
その中でも8K VR映像が視聴できるマシンとしてリリースされているのが「DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8K」です。
YouTubeでもすでに8K映像が視聴できるようになっているので、将来的に4Kを超える解像度の映像にも対応できるのは嬉しいですよね。
一般的に解像度の高い映像を視聴する場合、パソコンが低スペックだとメモリのデータ転送処理速度が追いつかずコマ落ちが発生してしまいがちです。
これを解決するためにはデータ転送の高速化が必要になりますが、DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8Kでは従来のSSD(SATA III)の4~5倍の読み書き速度を誇るM.2 SSDを搭載しています。
またメモリの転送速度を解決するために、クアッドチャネル(メモリ4つ搭載)にすることが推奨されています。
DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8Kは4つのスロットのうち2つを使用し、16GBのメモリを2枚で合計32GBのメモリ容量としており、最大64GBまでメモリを搭載できるようになっています。
DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8K 仕様詳細
DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8Kの主な仕様は以下の通りです。
OS | Windows10 Home 64ビット |
CPU | インテル® Core™ i7-8700(6コア/ 3.20GHz/ TB時最大4.60GHz/ 12MB スマートキャッシュ/ HT対応) |
メモリ | 容量:32GB (16GB×2/ デュアルチャネル) スロット数:4 (空き 2)/ 最大64GB (16GB×4) |
ストレージ | 256GB インテル® 600p (NVMe対応/M.2規格/PCI Express x4 接続) 2TB Serial ATAIII 7200rpm (6Gbps/ Serial ATAIII接続) |
グラフィックカード | GeForce GTX 1060(3GB) |
チップセット | インテル® Z370 チップセット (ATX) |
(2018年2月時点 公式サイトの情報です。変更の可能性あります)
Intel最新のCPU(2018年2月時点)となる第8世代Coreプロセッサーは開発コードネームがcoffee lake(コーヒーレイク)となっています。
第8世代Core i7は標準で6コア12スレッドとなっており、これまで4コアが主流でCore Xシリーズのみ6コア・8コアCPUを取り扱ってきたIntel製品が大きく様変わりしました。
参考:約10年続いたルールを打ち破った「Coffee Lake」は期待できそう|ちもろぐ
たぶんこれは2017年に怒涛の勢いで登場した8コア~16コアのAMD Ryzenを強く意識したラインナップです。
動画編集ではコア数がものを言いますので、私自身もこれまで無理して高価なCore Xシリーズの6コア・8コアモデルを購入してきたわけですが、標準的に6コアCPUを搭載するPCを購入できるようになったのはありがたい話です。
そんなわけで動画編集は2017年以降かなりハードルが下がっているので、デザイナーさんはもちろん各企業・サービスのメインビジュアルやマーケティングの担当者さんはこのチャンスに自前で取り組まない手はありません。
DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8Kの外観
マウスコンピューターさんからDAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8Kをお借りしましたので早速動画編集に使ってみることにしますね。
外観はマウスコンピューター定番のケースデザインとなっており、前後にUSBケーブル(USB 3.0)を挿すことができるようになっています。
ディスプレイケーブル端子もDisplayport、HDMI端子、DVI端子が用意されています。
ケースを開けてみると、MSIのGeforce GTX1060が搭載されているのがわかります。
CPUの冷却装置にはLGA1151ソケット用CPUクーラーが装着されています。
この直下に第8世代CPU Core i7-8700が搭載されています。
CPUクーラーのそばにはインテルのNVMe対応 M.2 SSDが。ちっさ!
容量は256GBと決して多くはありませんが、保存データを内蔵HDDに保存すれば問題なさそうです。
内蔵HDDは2TBのSerial ATAIIIです。動画編集で使うHDDは回転数が7200rpm以上がおススメです。
クアッドチャネルのメモリスロットです。1枚16GBのメモリが最大4枚。合計64GBに増築可能です。予算に余裕があればぜひ追加しておきたいですね。
早速パソコンを立ち上げて、SSD(C:ドライブ)の読み書き速度をCrystalDiskMarkで計測してみました。
読み込みが1568.2MB/sとメチャクチャ速い。パソコンの立ち上がりもSATA SSDに比べても速いのがすぐにわかります。
マウスコンピューターのクリエイターPC DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8K
グラフィックス:GeForce GTX 1060 (3GB)
DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8K+PremiereProで4K動画を編集してみる
SONY α6500で撮影した4K映像をPremiereProのタイムラインに乗せて再生してみました。
WindowsタスクマネージャーでCPU使用率を確認し、GPU-Zでグラフィックボードの使用率を計測します。
タイムラインにクリップを乗せただけの状態ではCPU使用率が14~20%前後を行ったり来たりしています。
GPU使用率は4%となっています。コマ落ちすることなくスムーズに再生されています。
タイトル出し
PremiereProでタイトル出しをしてみます。
CPU使用率は20%前後増え、GPU使用率は8~10%を推移しています。
再生ヘッドがタイトル追加部分を通過するときに跳ね上がりますが、プレビューにはそれほど大きな影響がありません。
トランジション追加
クリップ間にトランジションを追加しました。クロスディゾルブです。
この間のCPU使用率は通常再生状態から2~5%ほど上昇しますが、これも問題と言えるほどの影響はありませんでした。
カラー補正 SpeedLookプリセットを適用してみる
PremiereProでカラー補正を行うにはエフェクトに用意されたカラー補正機能をクリップに適用してエフェクトコントロールパネルで調整します。
Adobeにはカラーグレーディング専用のアプリ SpeedGradeがありましたが、2017年のAdobe Creative Cloudアップグレードで提供終了となり、PremiereProにSpeedGradeの機能の一部が含まれるようになりました。
PremiereProの「エフェクト」→「Lumetriプリセット」→「SpeedLook」→「カメラ」の中から撮影したカメラに合わせてプリセットを適用することができます。
この中にSONYのプリセットがないのが残念なのですが… 今回は適当にNikonD800のクリーンパンチNDRをクリップに適用します。
するとLogで撮影したクリップの眠い色に強いコントラストの色が着きます。
この状態でプレビューしてみると、CPUの使用率は20~25%になり、GPU使用率はグンと上昇、50%前後を推移するようになりました。
ただプレビューは問題なく滑らかに再生されます。
エフェクトを追加するたびにCPU使用率が上がるので、複雑な色編集をするのは厳しそうな感じです。
マルチカム編集
次にマルチカム編集です。
複数のトラックを用意してクリップを重ね、クリップをネスト化するとマルチカム編集ができるようになります。
今回は3カメ編集をシミュレーションしてみます。
そうするとCPU使用率は40%前後を推移し、部分的に100%になることもありました。
GPU使用率はそれほど上がりませんでした。
マルチカム編集時にPremiereProのコマ落ちインジケーターでプレビューのコマ落ちを検証します。
30秒ちょっとのプレビューに139フレームのコマ落ちが発生しました。
再生は全く滑らかではありません。カクカクしますよ。
PremierePro編集後の書き出しはどのぐらい時間がかかる?
PremiereProで4K映像に簡単な編集を加えたプロジェクトを4K解像度でH.264(MP4)に書き出してみます。
CPU使用率は100%になっていますが、GPU使用率は0%となっています。
1分57秒の動画を4K書き出しするのに2分19秒かかりました。
では次にフルHDに書き出してみます。
なぜかフルHDの書き出しにはGPU使用率が時々40%を超えました。
すると1分57秒の動画をフルHDに書き出しするのにかかった時間は1分11秒となりました。
DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8Kでカラーグレーディングをやってみるよ
では次にPremiereProで編集した映像をDaVinci Resolve14でカラーグレーディングしてみます。
PremiereProはDaVinci Resolve14とも連携が可能です。
まずPremiereProでAAFファイルを書き出して、DaVinci Resolve14でAAFファイルを読み込むことで、PremiereProでカット編集が完了したタイムラインがDaVinci Resolve14の編集ページに反映します。
AAFファイルは様々なメディアファイルやメタデータを異なるOSやアプリケーション間でやり取りができるようになるファイルです。
AAFファイルでやり取りすることで編集ソフトが異なるクリエイターとも作業を共にすることができるので、ぜひ活用したいですね。
AAF書き出し時のCPU負荷はどんな感じ?
PremiereProのAAF書き出しは「ファイル」→「書き出し」→「AAF」を選択します。
AAF書き出し設定ウィンドウが開きます。この時に「ビデオをミックスダウン」を選択して「OK」を選択します。
すると書き出しが始まります。
AAFファイルの書き出しは動画の編集データだけを書き出すので、MP4やAVIなどの映像ファイルを書き出しするよりも短時間で済みますが、CPUには結構負荷をかけていたりしています。
CPU使用率は75~80%を推移しています。GPUは全く使用していません。
DaVinci Resolve14でLUTを当てたときのCPU・GPU使用率は?
読み込んだタイムラインを再生してみた時のCPU使用率は2~3%前後、GPU使用率は0%となっています。
次にDaVinci Resolve14でLUTを当ててみましょう。
DaVinci ResolveにはほぼすべてのカメラメーカーのLUTが用意されているのでありがたいですね。SONYのLUTも用意されていますよ。
CPUの使用率は20%前後を推移し、GPUの使用率は5~7%前後となりました。
色調整はDaVinci Resolve14で行ったほうがスムーズです。
DaVinci Resolve14で4K映像を書き出ししてみる
それでは動画編集とDaVinci Resolve14によるかんたんな色調整が終わりましたので、書き出ししてみましょう。
1分57秒の動画の書き出しに3分30秒ほどかかりました。
PremiereProよりも時間がかかりましたが、個人的にはこれでも結構速い感じがします。
DaVinci Resolve14での書き出し時のCPU使用率はほぼ100%を推移し、GPU使用率は45%前後を推移しています。
書き出し中は他の作業をしないほうが良いですね。
DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8Kで動画編集・カラーグレーディングをやってみるよ まとめ
こんな感じ!
DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8Kではシンプルな動画編集に限られますが、4K解像度でもなんとか対応できそうです。
複数のカメラを使ったマルチカム編集ではプレビューするのが困難でしたが、意外と書き出しも速いです。
普段はデザインのお仕事がメインだけど、動画制作も時々行うハイブリッドなクリエイターさんには最適なモデルだと思います。
私的には第8世代CPU Core-i7が第7世代よりも随分向上したように感じましたよ。
また、M.2 SSDは超おススメです。
SATAIII SSDでも十分立ち上がりが速いと思っていましたがそれ以上です。
HDDからSSDに変えた時と同じぐらいの感動がありました。
DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8Kは容量が少ないので不安がある人はさらに上のモデルを購入するのが良さそうですね。
この記事で検証したPC DAIV-DGZ520M1-M2SH2-VR8K
グラフィックス:GeForce GTX 1060 (3GB)