※2024年12月に更新しました。また本ページにはプロモーションが含まれています。
(提供元:株式会社サードウェーブ)
インテルのAI用プロセッサー Core Ultra 7 155H搭載の新製品「GALLERIA DL7C-IG-C6」を、ドスパラ通販サイトを運営するサードウェーブからお借りして動画編集性能を検証・レビューします。
Core Ultra 7は今話題のAI用CPU(AI処理を高速化できるNPU搭載)の一つで、それを搭載したGALLERIA DL7C-IG-C6は正統なAI PCという位置付けにもなるでしょう。
では最新のAI用CPUを搭載したGALLERIA DL7C-IG-C6はクリエイティブでも十分な性能を発揮するのでしょうか。
第14世代インテルCPU Core Ultra 7は動画編集でもいける?
Microsoftやデル、ASUSからリリースしているAI対応PC(Copilot+ PC)は20~25万円前後が相場です。
GALLERIA DL7C-IG-C6は16インチの液晶モニターで20万円弱なので、幾分か割安なAI対応PCと言えるでしょう。
ここではGALLERIA DL7C-IG-C6を使ってベンチマークの計測や画像編集の検証を実施し、GALLERIA DL7C-IG-C6の使用感について挙げてみようと思います。
>>GALLERIA DL7C-IG-C6の検証をすぐに確認したい方はこちら
GALLERIA DL7C-IG-C6
CPU:Core Ultra 7 155H
メモリ:32GB PC5-38400
グラフィックス:インテル Arc グラフィックス
ストレージ:M.2 SSD NVMe Gen4 1TB
液晶モニター:16型モニター(ノングレア WUXGA液晶)
194980円(税込)
※7月9日時点の価格です。最新の価格は公式ページをご確認下さい
目次
GALLERIA DL7C-IG-C6を使ってみた感想
GALLERIA DL7C-IG-C6はクリエイター向けのノートPCとして、ドスパラ通販サイトで2024年6月下旬に発売開始となっています。
16インチのクリエイター向けノートパソコンで重量が1.4kgと軽量で、GALLERIA DL7C-IG-C6は持ち運びにも最適でしょう。
気になる性能についてです。
結論から先に言うと、動画編集のソフトウェアがまだAI用CPU(Intel Core Ultra 7)に対応できておらず、検証に使ったAdobeのソフトウェア(Premiere Pro)も十分に性能発揮しませんでした。
製品を使わせてもらっている立場で言いにくいのですが、動画編集者には今の時点(実機検証は2024年7月)でおすすめできるノートパソコンではありません。
ただし、これから各動画編集ソフトがAI用CPUに対応するようバージョンアップするでしょうから、時を待てば解決するはずです。
どうしてもAI対応PCが欲しいクリエイターの方はそれからでも全然遅くはないと思います。
私がもし今選ぶなら、GALLERIA XL7C-R46H-6のようなAIクリエイティブにも対応できるGPU(ビデオカード)を搭載したノートPCを買うでしょう。
動画編集やAI画像生成で十分な性能を発揮するのは検証済みです。
>>GALLERIA DL7C-IG-C6による動画編集の検証をすぐに見る
GALLERIA DL7C-IG-C6の特長
GALLERIA DL7C-IG-C6は画像編集や動画編集向けに設計されており、DCI-P3カバー率95%の高解像度な液晶モニターを搭載しています。
一般的に色の再現性が高いディスプレイはリフレッシュレートが抑えられている傾向がありますが、GALLERIA DL7C-IG-C6は最大144Hzのリフレッシュレートで映像表示することができます。
ゲーミングモニター並みの性能で、動きの速い映像を表示するときも非常に滑らかに視聴ができます。
また、GALLERIA DL7C-IG-C6はパワーデリバリー対応のThunderbolt4 ポートとUSB Type-Cポートが備わっており、モバイルバッテリーでも使用可能です。
またそれらの端子は映像出力にも対応しているので、GALLERIA DL7C-IG-C6のディスプレイを含めて最大3つの画面で画像・動画編集をすることができます。
最近はUSB Type-Cケーブルでカメラを接続して写真を取り込むことが多いので、USB Type-Cポートが2つ備わっているのは嬉しい点でしょう。
GALLERIA DL7C-IG-C6の仕様
CPU | インテル Core Ultra 7 155H (最大4.80GHz/16コア/22スレッド) |
グラフィックス | インテル Arc グラフィックス(CPU内蔵GPU) インテル AI Boost |
メモリ | 32GB DDR5 (PC5-38400) |
ディスクストレージ | 1TB NVMe SSD Gen4 |
液晶ディスプレイ | 16.0型 WQXGA液晶(2560×1600ドット表示)/ リフレッシュレート 144Hz |
その他 | USB 3.2 (Gen1) Type A x1 USB 3.2 (Gen2) Type A x1 USB 3.2 (Gen2) Type C x1 (65-100W Type C アダプター対応) Thunderbolt 4 x1 (65-100W Type C アダプター対応) 映像出力 HDMI2.1 x1 音声入出力 x1 (3.5mm 4極(CTIA)ジャック) |
重量 | 1.7kg |
バッテリー駆動時間 | 5.9時間(動画再生時)/7.0時間(アイドル時) |
販売価格 | 194,980 円(税込) |
※価格は2024年7月にドスパラ通販サイトで調べています(変更の可能性あります)
GALLERIA DL7C-IG-C6はメモリ32GBと保存ディスクは1TBの充実したスペックでクリエイティブにも十分使えるスペックです。
第一印象は16インチにしてはかなり軽く薄いので、持ち運びやすそうに思えました。
Core Ultra 7 155Hは従来製品から電力効率が向上しているので、バッテリーの稼働時間も長く使えるようになっているようですね。
GALLERIA DL7C-IG-C6の液晶ディスプレイとwebカメラ
GALLERIA DL7C-IG-C6の液晶ディスプレイは上部10mm、左右5.0mmの狭縁ベゼルで中央にウェブカメラを搭載しています。
ノングレア(非光沢)タイプの液晶モニターで映り込みもほとんどありません。
GALLERIA DL7C-IG-C6のインターフェース
GALLERIA DL7C-IG-C6の接続端子は左側面にケンジントンロック、マイクロSDカードスロットとUSB Type Aの端子が一つ(USB 3.2 Gen1)、ヘッドセット端子が備わっております。
右側面にはThunderbolt 4、USB3.2 (Gen2) Type C、USB 3.2 (Gen2) TypeA、電源ポートがあります。
背面にはLANポートとHDMI端子が備わっています。
厚さは接地面から計測すると、最厚部で2.4cmほどになります。
GALLERIA DL7C-IG-C6のキーボード操作性
GALLERIA DL7C-IG-C6のキーボードは日本語配列キーボードで、ホワイトのLEDバックライトが点灯します。
タッチパッドは十分な広さがあります。
省略されがちなHomeキーとEndキーも独立キーとして存在するのも好印象です。
キーストロークは1mm程でスペースキー周りはややキーが小さく感じますが、16インチサイズでゆったりと配置されているので使い勝手は良さげです。
ACアダプターの重量は438gでかなり軽め。
ACアダプターを一緒に持ち出しても苦になりません。
GALLERIA DL7C-IG-C6のベンチマーク
GALLERIA DL7C-IG-C6のベンチマークをPCMARK10・3DMARKで計測してみましたが、残念ながら計測不可能です。
ベンチマークソフトがまだAI向けCPUに対応できていない可能性があります。
DaVinci Resolveに同梱のBlackmagic RAW Speed TestでRAW編集の対応レベルを計測してみると、CPUのみ計測され、8K30Pまで対応可能。
GPUはグレー表示(計測不能)になっています。
また、GALLERIA DL7C-IG-C6のマザーボードはPCIe 4.0に対応し、M.2 SSD Gen4を起動ディスクにすることができます。(標準でM.2 SSD Gen4です)
CrystalDiskMark 8.0で計測してみるとシーケンシャルリード(読み込み速度)7,065MB/sで、シーケンシャルライト(書き込み速度)が6,651MB/sとなっています。
動画編集ではSSDの読み込み速度が早いほどコマ落ちを抑えることができるので、アップグレードにおすすめのパーツの一つです。
ドスパラ直販サイトで購入する場合は容量アップ、読み書き性能アップどちらでも対応してもらえます。
標準装備の起動ディスクで十分の読み書き性能なので、動画編集に使うなら容量アップがお勧めです。
>>ドスパラ通販サイトのGALLERIA DL7C-IG-C6カスタマイズを確認する
GALLERIA DL7C-IG-C6で検証 -動画編集-
それではGALLERIA DL7C-IG-C6で動画編集を検証してみます。
Panasonic LUMIX GH6で撮影したフルHD解像度の撮影データを使用します。
詳しい記録方式は以下になります。
使用した映像データ
✅LUMIX GH6 FHD60P動画編集(MOV LongGOP FHD59.94p 420 10bit 100Mbps HLG)
データをすべてCドライブに保存してPremiere Proを使って動画編集をします。
またPremiere Proのプログラムモニターは常時「フル画質」を設定しています。
FHD60P編集
ではGALLERIA DL7C-IG-C6でFHD60Pのカット編集を実施してみましょう。
今回検証したLUMIX GH6のMOV LongGOP FHD59.94P 420 10bit 100Mbps HLGは長時間撮影に適したデータで、カラーグレーディングには適さない記録方式です。
ACアダプターあり
ACアダプターで電源供給した状態でのPC負荷を確認します。
タイムラインを再生中のCPU使用率は70%前後を推移し、内蔵GPU(Intel AI Boost)の使用率は常時0%となっています。
メモリの消費量は31.6GBのうち11.7GB(37%)です。
Premiere Proの環境設定ではメモリ容量を26GBまでPremiere Proに割り当てるように設定しています。
2分32秒のシーケンスをフル画質設定で最初から最後まで再生すると、コマ落ちインジケーターでは5611フレームのコマ落ちです。
ACアダプターで電源供給した状態にも関わらず、コマ落ちはかなり多くなっています。
再生中のカクつきはかなりあるので、快適に動画編集できるとはいいがたいですが、できないことはないという感じです。
フルHD60P⇒フルHD60P書き出し
次にGALLERIA DL7C-IG-C6とPremiere Proで書き出しテストを実施します。
書き出したのは先ほど編集したシーケンスです。
書き出し設定はFHD60Pのシーケンス(2分32秒)からH.264のフルHD、ターゲットビットレートは10MbpsのVBR 1パス。
ソフトウェアエンコーディングで書き出し時間を計測します。
書き出しはACアダプターに接続して実施しています。
書き出し時間は以下のようになりました。
Full HD 60P 書き出し(2分32秒の動画)
ソフトウェアエンコーディング | 2分39秒 |
書き出し時のCPUやGPU(NPU)の使用率もチェックしてみました。
ソフトウェアエンコーディングではCPUの使用率が100%で推移し、NPUは0%前後で推移します。
インテル Core Ultra 7 155Hはこの記事を書いている時点(2024.7)でPremiere Proによる書き出し時にGPU支援を得られません。
GALLERIA DL7C-IG-C6の動画書き出し(エンコーディング)はやや時間がかかると考えておいた方が良さそうです。
もしビデオカード搭載のデスクトップPCを所有しているなら、編集後の書き出しはデスクトップで行ったほうが早いでしょう。
GALLERIA DL7C-IG-C6のはPowerDirectorのようなプロキシ編集が前提の動画編集ソフトを使うのをお勧めしておきます。
GALLERIA DL7C-IG-C6の短所・長所とレビューまとめ
今回実施したGALLERIA DL7C-IG-C6の動画編集検証では、残念ながらPremiere Proで十分なパフォーマンスを発揮できておらず、やや厳しい結果となりました。
発売したばかりのニュータイプのCPUなのでやむを得ない結果かもしれません。
32GBメモリや高速SSDを搭載した充実スペック + DCI-P3カバー率95%の16インチモニターでLANの端子もある。
USB Type-C が2つもあるし利便性は抜群。本体とACアダプターも軽いので持ち運びやすい。
せめてビデオカードさえ搭載していれば.. 惜しい..
動画編集をするなら同じぐらいの値段で購入できるGALLERIA XL7C-R46H-6のほうが私は断然オススメです。
GALLERIA DL7C-IG-C6
CPU:Core Ultra 7 155H
メモリ:32GB PC5-38400
グラフィックス:インテル Arc グラフィックス
ストレージ:M.2 SSD NVMe Gen4 1TB
液晶モニター:16型モニター(ノングレア WUXGA液晶)
194980円(税込)
※7月5日時点の価格です。最新の価格は公式ページをご確認下さい